「鉄板映画：人気スター映画のブログ」囚人が刑務所から脱獄しようとした実話『アルカトラズからの脱出』、貧乏サーカスの一座があちこちで公演したり、珍騒動を起こす『ブロンコ・ビリー』を紹介します。
『アルカトラズからの脱出』（Escape From Alcatraz）
１．ストーリー
囚人がアルカトラズ刑務所から脱獄しようとする。
（1979年公開）
２．キャスト
クリント・イーストウッド（囚人）
ポール・ベンジャミン（囚人）
フレッド・ウォード（囚人）
パトリック・マクグーハン（刑務所長）
３．注目のシーン
①主役
1960年１月18日、アルカトラズ刑務所に収監される囚人モーリス（クリント・イーストウッド）。非常に知能が高いが、所詮は犯罪者の残念な男。刑務所でもその知能を利用するつもり。
②キャラ
刑務所が舞台の映画。刑務所長（パトリック・マクグーハン）は冷酷な男。囚人たちは基本的に脱獄を諦めているため比較的おとなしいが、ウルフはモーリスを敵視するトラブルメーカー。所内を不穏な雰囲気に。他に、ネズミをペットにしている囚人リトマス、図書係の囚人イングリッシュ（ポール・ベンジャミン）、絵を描くのが趣味の囚人ドク、新入りの囚人バッツとアングリン兄弟（フレッド・ウォードほか）。
③緊迫感
脱獄がテーマ。主導するモーリスが脱獄の道具を入手して壁を削ったり、カモフラージュのための人形を作ったり。看守に気付かれないように作業するシーン、決行シーンがスリリング。
４．感想
実話を映像化。アルカトラズからの脱獄に成功したと言われているフランク・モリス。本当に成功したのだろうか？ 「海で溺れた」という説が濃厚。個人的には「整形して生き延びた」と考えてます。映画の内容は、鑑賞していて苦しさを感じるもの。緊張感が全編に漂い、刑務所暮らしのつらさが伝わってきます。個性的なキャラ（「脱獄しようとする者」と「諦めた者」の対比にも注目）、モーリスが作ったダミー人形。「緊張感」が売り物の作品です。
（予告編：YouTubeより）
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『ブロンコ・ビリー』（Bronco Billy）
１．ストーリー
サーカスの貧乏一座があちこちでやらかす。
（1980年公開）
２．キャスト
クリント・イーストウッド（サーカス団）
スキャットマン・クローザース（サーカス団）
ソンドラ・ロック（資産家）
ジェフリー・ルイス（夫）
３．注目のシーン
①主役
「ワイルド・ウエスト・ショー」一座を描いた珍作。一座のボスはビリー（クリント・イーストウッド）。半年も無給であると団員からグチられ、逆ギレ。気が短いのが欠点だが、子供に優しく、銃の腕前は「西部一」、車のドアには「BB」のイニシャル。
②キャラ
団員はビリーを始め、何かしら「ワケあり」。元医者のドク（スキャットマン・クローザース）、ネイティブアメリカンの「ビッグ・イーグル」とその妻ウォータ、縄使いのレオナード、義手の男。そしてアントワネット・リリー（ソンドラ・ロック）と夫ジョン・アーリントン（ジェフリー・ルイス）。「嫌な女」リリーからジョンが逃亡。田舎町に置き去りにされたリリーが偶然通りがかったビリーに声を掛ける（運命的な出会い）。
③笑い
「個性的なメンバーによるコメディな演技」「西部劇風の演出」を楽しむ映画。すぐに逆ギレするビリー（雨の中で団員にキレまくる、「下品なカウボーイ」呼ばわりされてキレる。キレるときの表情にも注目）、「蛇使いの芸」をトチるビッグ・イーグル（観客の反応が面白い）。銀行強盗を軽く撃退、酒場でケンカ、ビリーがリリーを襲う二人組を殴り倒すシーン、挑発的な保安官とニラみ合うシーン、列車強盗をやろうとする珍シーン。
４．感想
怒りっぽいビリーと少し間が抜けた団員たちの珍道中。イーストウッド本人も気に入っている作品ということですが、商業的には失敗したそうな。古い時代に憧れる座長。現代社会とはどうもソリが合わない。そんな座長の団員たちとのやりとりが面白い。リリーの夫ジョンもコミカルなキャラで妙におかしい。問題はヒロインのソンドラ・ロック。やたら目をひんむいて怒鳴ったりキレたりする女。このキャラのせいで作品の雰囲気が殺伐とした感じになってしまっている部分があるのが残念。コミカルな演出で懐古主義を楽しませてくれる映画です。
（作品情報：各種資料より）
・撮影はアイダホ州、オレゴン州、ニューヨーク州
スキャットマン・クローザース：『シャイニング』『トワイライトゾーン 超次元の体験』ほか。
（予告編：YouTubeより）
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