「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:シルヴェスター・スタローン特集(3)「再びドン底へ&生きがいを求めて」

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」引退したロッキーが新しい人生を求める『ロッキー5 最後のドラマ』、ロッキーが再びリングに立つ『ロッキー・ザ・ファイナル』を紹介します。

『ロッキー5 最後のドラマ』(Rocky V)

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映画チラシ

1.ストーリー
元世界王者がトレーナーとして新しい人生をスタートさせる。
(1990年公開)

2.キャスト
シルヴェスター・スタローン(元ボクサー)
タリア・シャイア(妻)
セイジ・スタローン(息子)
バート・ヤング(義兄)
トミー・モリソン(ボクサー)
リチャード・ガント(プロモーター)

3.注目のシーン
①主役
プロボクシング世界ヘビー級王者ロッキー(シルヴェスター・スタローン)。モスクワでのドラゴとの激しい試合の後、頭痛に苦しむ。ついに引退を決意。そして若いトミー・ガン(トミー・モリソン)という男がロッキーの前に突然現れる。

②悪役
これまでの激しい試合で体を壊してしまったロッキー。そんなロッキーで一儲けしようと企むボクシングプロモーターのデューク(リチャード・ガント)。有望選手ケインとロッキーを戦わせようとする。

③キャラ
一作目から続いて登場するのはロッキー、エイドリアン(タリア・シャイア)、ロッキーの義兄でエイドリアンの兄ポーリー(バート・ヤング)など。「ロッキー・ジュニア」を演じるのは実の息子セイジ・スタローン(『デイライト』(1996年)でも父シルヴェスターと共演。しかし若くして亡くなった)。

④アクション
公開当時「ロッキーはリングに上がるのか?」で話題になった映画(それは本編を観てのお楽しみ)。トミー・ガンとケインの試合(世界王座戦)、トミーのトレーニングシーンがアクション的な見せ場。

4.感想
ついに引退のロッキー。引退後はどんな生活になるのか? しかしながら、この映画は評価が低い(様々な理由で。ネタバレになるので書くことは控えます)。派手な演出が多かったパート3,4に比べると地味な雰囲気の内容だったからだと思われます。しかし「ロッキーシリーズ」は「ロッキー」という人間の人生を描くドラマ。たぶんロッキーが亡くなるまで続くと思いますし、その過程であるこの作品は欠かすことができない重要な一部なのです。この作品では「ボクサーの影の部分(激しい試合、後遺症、引退後の生活、金銭トラブルなど)」がメイン。現実のボクサーもこういったことで悩んだり、苦しんだりしています。引退したロッキーの役割がやや地味なので、代わりに個性的なキャラが登場。プロモーターの「デューク」(有名プロモーターのドン・キングを意識したキャラ。なかなかの迫力。特に顔)。若手ボクサーの「トミー・マシン・ガン」(トミー・モリソンは本物のボクサー。あのジェン・ウェインと親戚なのだとか。この映画の後、WBO世界ヘビー級王者になったが、若くして亡くなった)。個人的には「ユニオン・ケイン」も結構気に入っています(名王者ロッキーに挑戦しようとする活きのいい若手。ヤル気満々なところが勇ましい)。エイドリアンは心配が多い人生。ポーリーはやらかす男(コイツはホントに困った奴)。ロッキー・ジュニアはスネてしまう困った奴(イジケたキャラ。この次の作品でもそうだった)。ボクサーの引退後の生活、新しい出会い、家族、裏切り、新王者の記者会見、戦いが見せ場の映画。ドラマ(人間関係)部分に特に注目。強くオススメしたい名作です。

作品情報:各種資料より
・「ディレクターズ・カット版」なるものが存在している(未公開シーンなどもあり、「公開版」とはかなり違うらしい)

(予告編:YouTubeより)

www.youtube.com

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ロッキー・ザ・ファイナル(Rocky Balboa)

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映画チラシ

1.ストーリー
引退したボクサーが「燃えるもの」を求めて一夜だけリングに立つ。
(2006年公開)

2.キャスト
シルヴェスター・スタローン(元ボクサー)
マイロ・ヴィンティミリア(息子)
バート・ヤング(義兄)
アントニオ・ターバー(世界王者)

3.注目のシーン
①主役
元ボクサーのロッキー(シルヴェスター・スタローン)。義兄のポーリー(バート・ヤング)と共に亡き妻エイドリアンの墓参り。妻を亡くし、息子ロバートとは疎遠。経営するレストラン「エイドリアンズ」は試合の思い出話を聞きに来るお客でなかなかの繁盛ぶりだが、心の中は寂しい状況。

②キャラ
回を重ねるごとに減っていくシリーズのレギュラーたち。一作目から続いて登場するのはロッキー、ロッキーの義兄でエイドリアンの兄ポーリーのみ。「ロッキー・ジュニア」はイジケたキャラ(有名人である親と比較されるから自分は他人から認められない、と考える困った性格)。特別ゲストとして、一作目の「マリー」「スパイダー」が登場。「マリー」は一作目で「ロッキーのバカ野郎」とロッキーをののしった少女。この作品でロッキーと再会。今ではシングルマザー。かなり苦労している。「スパイダー」は一作目の冒頭でロッキーと戦った男。

アクション
エキシビション・マッチ(普通の試合とは「条件」が異なる形式の試合。ただし、「普通の試合」と変わらないような打ち合いが展開されることも)でボクシング世界ヘビー級王者ディクソン(アントニオ・ターバー:本物のボクサー。ライトヘビー級の世界王者)と対戦することになったロッキー。トレーニング、そして試合。どんな結果になるか?

4.感想
前作『ロッキー5/最後のドラマ』が1990年の公開。そしてこの2006年公開『ロッキー・ザ・ファイナル』。実に悲しい映画。エイドリアンが病気で亡くなってしまい、ロッキーとポーリーが墓参りをするシーンからスタート(エイドリアンは一作目で「体が丈夫ではない」と言ってはいましたが、やはり悲しい)。息子ロバートは父ロッキーを避けるような態度。何かと「ロッキーの息子」と他人から呼ばれてウンザリしているらしい。ロッキーは今ではレストラン「エイドリアンズ」の経営者。店で選手時代の話をお客に聞かせ、なかなかの繁盛ぶり。一作目では少女だったマリーと再会。店は繁盛、懐かしい人との会話も楽しいロッキー。しかし、「何か」が足りない。一方、ヘビー級のボクシング界は王者ディクソンが一人勝ちでライバルもいない状況(ファンもシラケ気味)。そこでヘビー級を盛り上げるためにディクソンのプロモーターたちが「ディクソン vs. ロッキー」のエキシビション・マッチをロッキーにオファー。「熱意をぶつけられるもの」を求めてロッキーはリングに上がる。どんな試合になるか? 試合のシーンがリアルな映画(「HBO」のマークが入った映像。本物の試合中継のよう。リングサイドにはマイク・タイソンの姿も)。しかしながら個人的には、これは「ボクシング映画」ではなく、「人生を描いた映画」として評価しています。あるボクサー(ロッキー)の人生。主人公ロッキーだけではなく、周囲の人々の人生も(相変わらずヘマなポーリー、イジケた性格のロッキー・ジュニア、シングルマザーとして苦労するマリー)。世界王者ディクソンにも悩みが。様々なテーマで描かれた「人間ドラマ」。多くの人に観てもらいたい名作です。

作品情報:各種資料より
・コチラにも「ディレクターズ・カット版」が(エンディングが通常版と違う)
・「リアルさ」を追求したため試合のシーンでは実際に殴り合って撮影(スタローンは何度も失神しかけた、という)
・実際の会場でプロの試合を観戦しに来た観客の前で撮影が行われた

(予告編:YouTubeより)

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