「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:スティーヴン・セガール特集(17)「ロシア同士の確執&何かとツイてない男」

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」元マフィアの男が家族を襲った敵に復讐する『沈黙の鎮魂歌』、元特殊部隊の男が犯罪に巻き込まれる『沈黙の鉄拳』を紹介します。

『沈黙の鎮魂歌』(Driven To Kill)

1.ストーリー
元マフィアの男が家族を襲った敵に復讐する。
(2009年公開)

2.キャスト
スティーヴン・セガール(元マフィア)
イゴール・ジジキン(マフィア)

3.注目のシーン
①主役
元ロシアマフィアのルスラン(スティーヴン・セガール)。今では犯罪小説家。娘レニーが結婚するということで久しぶりに元妻と娘が住む町へ。しかし、それを歓迎しないロシアマフィアの連中がいる。

②悪役
ロシアマフィア。過去に何があったのかは不明だが、ルスランを憎んでいる。その筆頭がボスのミカエル(イゴール・ジジキン)。ルスランを始末する意向。しかし、レニーの結婚相手はミカエルの息子ステファン。ミカエルを陰でバックアップする汚い連中もいる複雑な状況。

③アクション
元妻と娘を襲われたルスランが悪党を追うシーンが見せ場。バー、クラブ、駐車場、病院を舞台にヘンなチンピラやミカエル&その手下を銃、ナイフ、素手で撃退。武器を調達するルスランが悪党と銃撃戦になるシーンはなかなかの緊迫感。

4.感想
セガールがロシア人を演じる映画(ホントにロシア国籍になるとは)。元・マフィアのボス「ルスラン」が家族を失い、「家族を襲った黒幕」と「その理由」を追って旧敵と対決。サスペンス風味のアクション作で、悪党を倒すシーンが見所。人間関係にも注目ですが、ストーリーやキャラ設定にムリがあります。ルスランの娘レニーは検事。それなのにロシアマフィアの息子と結婚するという(可能?)。ミカエルは(カタギになろうとしている)息子に跡継ぎになってもらいたい、ルスランが憎たらしい、という理由でルスランの元妻と娘を襲撃。しかしながら、「ルスランとミカエルの過去」が語られるシーンがないため、なぜミカエルがルスランをそこまで憎むのかがわからない。そのため、感情移入しづらい展開になっています。「警察が役に立たない」というのはセガール映画ではおなじみ。オススメのシーンは、「伝票刺しゲーム」とかいう謎の遊び、病院での戦闘で手榴弾を使うルスラン(やりすぎ)、無謀な悪役たち(ルスランを挑発して思いっきりぶっ飛ばされる。セガール映画に出てくる悪役は実力差がわからない連中ばかり)ほか。悪役が卑劣でハラ立つ映画。ストーリーをもう少しエエ感じにしてくれたら名作になったのに、という気がする映画です。

イゴール・ジジキン:ロシア系アメリカ人。悪役顔。『インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国』(2008年)にも登場。

(予告編:YouTubeより)

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『沈黙の鉄拳』(A Dangerous Man)

1.ストーリー
元特殊部隊の男が犯罪に巻き込まれる。
(2009年公開)

2.キャスト
スティーヴン・セガール(元特殊部隊)
マーライナ・マー(女)
バイロン・マン(中国軍大佐)
リー・チェン(犯罪者)
ヴィタリー・クラチェンコ(ロシア人)

3.注目のシーン
①主役
元特殊部隊のシェーン・ダニエルズ(スティーヴン・セガール)。車強盗を殺害した罪で服役。しかし、後に出た証拠により「冤罪」と認定。釈放後、コンビニ近くでからんできたチンピラを滅多打ち。何かと暴力に縁がある男。

②悪役
人間関係がテーマの映画。ティア(マーライナ・マー)という女をさらい、大金を車で運ぶ二人のアジア人。その背後には中国軍大佐(バイロン・マン)、薬物を扱う犯罪者チェン(テリー・チェン)、チェンと組む汚職警官がいる。

③キャラ
シェーンと共にティアを助けるロシア人青年セルゲイ(ジェシー・ハッチ)。彼の父は裏社会で力を持つヴラッド(ヴィタリー・クラチェンコ)。

④アクション
アメリカに逃亡した中国軍の会計士」「薬物がらみの大金」をめぐってシェーン&ロシア人が大佐&チェンと戦う映画。ガンアクションが中心。大爆発シーン、セガールが彼らしく素手で敵を倒すシーンも(ラリアット炸裂)。

4.感想
『沈黙の鉄拳』というタイトル。セガールは映画の中では大概、鉄拳を振るうので、タイトルだけではどんな映画なのかサッパリわかりません。セガールが「ツイてない男」を演じる。(なぜか)あちこちで犯罪に巻き込まれ、ガラの悪いアジア系とロシア人の抗争に参加する話。映画的にはセガールが悪い奴をぶっ飛ばしてくれればそれでいいんですけども、「アメリカの治安」が鑑賞していて気になった。普通に歩いているだけで犯罪に巻き込まれ、警官も悪党とつるんでいる。また、アメリカ映画に出てくるアジア系悪役のガラの悪さも気になった(あちこちにそんな奴がいっぱい実際にいる? それがアジア系が嫌われる原因か?)。『沈黙の聖戦』(2003年)にも登場したバイロン・マンがそのときとは違ってセガールの敵役で出演。似たような名前のバイロン・ローソン(コンビニオーナー?)なんてのも出てます。アクション、緊迫感のあるストーリー展開、マーライナ・マー(いつも口が半開き)に注目の作品。ただし、過剰な暴力シーンには要注意です。

(予告編:YouTubeより)

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