「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:マイケル・ダグラス特集(4)「日本の犯罪組織&ストレス爆発」

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」ニューヨークの刑事が日本でニセ札造りの犯罪組織と対決する『ブラック・レイン』、中年の男性が「世の中のウンザリすること」にキレてしまう『フォーリング・ダウン』を紹介します。

ブラック・レイン(Black Rain)

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映画チラシ

1.ストーリー
ニューヨークの刑事が日本で米ドルのニセ札を扱う犯罪組織を追う。
(1989年公開)

2.キャスト
マイケル・ダグラス(刑事)
アンディ・ガルシア(刑事)
松田優作(ヤクザ)
若山富三郎(親分)
高倉健(刑事)

3.注目のシーン
①主役
ニューヨークの刑事ニック(マイケル・ダグラス)。妻とは別れ、不正を追及されるなど苦しい状況。相棒のチャーリー(アンディ・ガルシア)とレストランで食事するが、ヤクザとマフィアの会食に若い男が割り込む。

②悪役
ヤクザの幹部を殺してニセ札の原版を奪った佐藤(松田優作)。非常に凶暴で、刃物でニックを襲う。

③キャラ
佐藤を空港で脱出させるニセ刑事(内田裕也ガッツ石松)。逃走した佐藤をニック&チャーリーと共に追う大阪府警、警部補の松本(高倉健)。日本語がわからないニックは日本のクラブで働くアメリカ人女性ジョイスケイト・キャプショー)に協力を求める。佐藤の親分にあたる菅井(若山富三郎)。

④アクション
凶暴な佐藤。法の範囲内で仕事をするニック。二人の対決が見せ場。ニューヨークのレストランでの銃撃戦と追跡、佐藤と手下がチャーリーを襲うシーン、鉄工所での銃撃戦、佐藤の反乱、ニックと佐藤の対決。

⑤日本
多くの日本人俳優が登場。安岡力也、島木譲二小野みゆき。プロレスラーのプロフェッサー・タナカ。マニアックなキャスティングが楽しい。うどんを食べるシーンといった日本を描写したシーン、撮影時のエピソード(豊富)にも注目されたい。

4.感想
ニューヨークの刑事が大阪府警の警部補と組んで日本人犯罪者を追う映画。「ブラック・レイン」とは「(太平洋戦争で)空襲の後に降った黒い雨」のこと(by 菅井)。オススメのシーンは、日本の描写、松田優作の鬼気迫る表情(迫力)、飛行機内でエルボーを喰らう佐藤、クラブで歌うアンディと高倉健閑話休題)、はしでうどんを食べるマイケル・ダグラス「どうも、ありがと」、若山富三郎大阪弁と英語字幕(例:「盃(受け)取らんかい(Take the cup.)」)、カメラに泥(アクションものによくある。NGにならないのかな?)。過激なシーンに要注意のハードな内容。『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』でおなじみのケイト・キャプショーが演じる「日本で苦労するアメリカ人女性」にも注目です。

作品情報:各種資料より
・当初、監督リドリー・スコットは新宿歌舞伎町でのロケーションを希望していた(警察の許可が得られないため大阪に変更)
・ニックと佐藤が戦うブドウ畑農場のシーンはサンフランシスコ郊外で撮影された
・佐藤役のオーディションには松田優作の他に、萩原健一根津甚八小林薫世良公則田代まさし遠藤憲一などが参加
ジャッキー・チェンは出演を断った(自分に似合わない役のオファーだったらしい)
(予告編:YouTubeより)

www.youtube.com

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フォーリング・ダウン(Falling Down)

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映画チラシ

1.ストーリー
中年男性が世の中のさまざまなウンザリなことについにキレてしまい・・・。
(1993年公開)

2.キャスト
マイケル・ダグラス(中年男)
バーバラ・ハーシー(元妻)
レイチェル・ティコティン(刑事)
ロバート・デュヴァル(刑事)

3.注目のシーン
①主役
中年男性フォスター(マイケル・ダグラス)。交通渋滞に巻き込まれ、暑い車内でウンザリ。車を捨てて歩いて家に帰ることに。

②頭に来ること
フォスターには「許せないこと」がいっぱい。交通渋滞、商店を経営するナマイキな韓国人、街のチンピラ、別れた妻(バーバラ・ハーシー)、しつこい物乞い、バーガー店の朝食メニュー、払い下げ軍用品センターを経営するイカれた男、道路工事、カネ持ち専用のゴルフ場。

③キャラ
まもなく退職する予定の刑事プレンダガスト(ロバート・デュヴァル)。精神が不安定な妻のために退職を決意。しかし、同僚たちはそんなプレンダガストを「腰抜け」扱いして陰でバカにする。韓国人商店主の訴えで「強盗事件」の事情聴取するプレンダガスト。同僚サンドラ(レイチェル・ティコティン)と共に犯人(フォスター)の行き先を突き止めようとする。

4.感想
マイケル・ダグラスが「古き良き時代」を愛し、「壊れていくアメリカ・自身の人生」を嘆く「フォスター」を演じる映画。フォスターが独自の手段で「古き良き時代」を取り戻そうとするシーンが見せ場。物の値段、街に蔓延る悪、街や電話スタンドの落書きなどが象徴する「壊れていくアメリカ」。「隣人の顔も知らないし興味もない国」が最後に行き着くところはこの映画のような「暴力」なのかも知れない。おバカな警官ばかりの警察署で唯一まともな刑事「プレンダガスト」を『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』『ディープ・インパクト』のロバート・デュヴァルが好演。「フォスター」というキャラ(イカれている割りには筋が通っていて、楽しそうにイヤな連中を制裁していく)に注目の作品。シリアスながら面白い演出が多い作品です(バーガー店で「実物と見本」の違いに文句をつけるシーン、ゴルフカートが池ポチャ、バズーカ砲炸裂、夫にしかられてプレンダガストの妻がムクれるシーンほか)。

(予告編:YouTubeより)

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