「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:『007 死ぬのは奴らだ』(1973年:ロジャー・ムーア、ヤフェット・コットー)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」MI6のジェームズ・ボンドが「カリブ海・小国の首相」と「アメリカ黒人街の大物」を追うスパイ映画。「ブードゥー教の恐怖」に注目です。

1.ストーリー
MI6(イギリス情報局秘密情報部)のエージェントがカリブ海の怪しい独裁者を追う。

2.キャスト
ロジャー・ムーア(MI6)
バーナード・リー(MI6)
ロイス・マクスウェル(MI6)
ジェーン・シーモア(女占い師)
ジュリアス・W・ハリス(義手の大男)
ヤフェット・コットー(独裁者)

3.注目のシーン
①主役
新しいジェームズ・ボンドロジャー・ムーア)。相変わらず女好きなボンド(オープニング、ほか)。今回の任務はカリブ海の小国サン・モニークの怪しい首相を調査すること。敵を追ってサン・モニークでアクション。

②悪役
サン・モニークの首相カナンガ(ヤフェット・コットー)。アメリカ黒人街の大物ビッグと組んで何やら悪事。手下は義手の大男ティー・ヒー(ジュリアス・W・ハリス)、ブードゥー教の司祭サミディ、ほか。占いや魔術にこだわるカナンガは女占い師のソリテール(ジェーン・シーモア)に将来を占わせて様々な決断を下す。手下は他にも大勢。バーテンダーやタクシー運転手などもカナンガのために暗躍。

③キャラ
ショーン・コネリー時代から続いて登場するのはMI6のM(バーナード・リー)、マニーペニー(ロイス・マクスウェル)。残念ながらQ(デスモンド・リュウェリン)は登場せず(なぜ?)。他に、カナンガを監視するCIAのフィリックス・ライター(デヴィッド・ヘディソン)、「ボートでの逃走シーン」に登場するペッパー保安官(「ベンハー兄ちゃん」「ソ連の黒人」などの傑作なセリフ。実に愉快なキャラ:クリフトン・ジェームズ)。

④アクション
アクションが充実している作品。二階建てバスでの逃走、飛行場での追跡劇、ワニ園のシーン(危機一髪)、ボートでの逃走劇、爆発シーン、地下施設での戦い、列車での対決、ほか。

⑤演出
この映画を個性的にしているのは何と言っても「ブードゥー教」。「魔術の恐怖」で人々を支配するカナンガ。真夜中の怪しい儀式、不気味な「サミディ」とかいうタコ入道に大いに注目。

4.感想
個人的にシリーズで一番好きな作品。先進国イギリスのスパイが呪術を使う集団と戦うというカルチャーギャップが面白い。事件が次々に起こってオープニングから観客を引きつけます(ニューヨークの国連本部、ニューオリンズ、サン・モニークでイギリス諜報部員が次々に消される)。諜報部員暗殺事件の捜査をMから命じられたボンド。アメリカのハーレムを探り、カナンガに行き当たる。対決の行方は? 見所がいっぱいの映画。アクションシーン以外にも、諜報部員が消されるシーン(イヤホン、葬列、ヘビ)、いきなりMに自宅を訪ねられて焦るボンド(マニーペニーの表情にも注目)、強力な磁石を搭載した時計、個性的な悪役たち(サミディら)、CIAに協力する女ロージー(グロリア・ヘンドリー)、クオレル・ジュニア(『ドクター・ノオ』のクオレルの息子)、変なカカシ、おんぼろ二階建てバス、黒人の店でテーマ曲を歌う女(パンチのある歌声)、ワニ園、ラストシーン(「ワハハハハ」と不気味に笑う男)など。DVDにはメイキング(30分。危険なアクションシーンの撮影風景など)などが収録。オカルトな怪奇ムード、アクション、キャラ、ポール・マッカートニーのテーマ曲(「Live and Let Die」)。全てがそろった傑作です。

ヤフェット・コットー:貫禄タップリの役者。『特攻サンダーボルト作戦』ではウガンダのアミン大統領、『ミッドナイト・ラン』ではFBI捜査官を演じた。

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