「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:『マンディンゴ』(1975年:ペリー・キング、ケン・ノートン、ジェームズ・メイソン)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」白人と黒人奴隷の関係を描いた歴史物映画。黒人を売買する白人、屈強な黒人奴隷。人を「モノ」のように扱う時代を描いた問題作です。

1.ストーリー
黒人を売買する白人が屈強な格闘用黒人奴隷を購入し・・・。

2.キャスト
ペリー・キング(白人)
スーザン・ジョージ(妻)
ケン・ノートン(黒人奴隷)
ジェームズ・メイソン(白人)

3.注目のシーン
①主役
南北戦争1861年~1865年)が起こる約20年前が舞台の映画。大きな屋敷に住む白人のマクスウェル父子。黒人奴隷を所有し、奴隷の子が産まれたら売って儲ける。主人のウォーレン(ジェームズ・メイソン)はなかなか残酷な男で、黒人を「モノ」のように扱う。息子のハモンド(ペリー・キング)は足が不自由なこともあって少し控えめな性格。

マンディンゴ
あまり馴染みのない言葉。どうやら「優秀な遺伝子を持つ黒人奴隷」を意味するらしい。「血統書付きの黒人」は特に値段が高い。ハモンドはドイツ人女性と競り合って「マンディンゴ」のミード(ケン・ノートン)を4500ドルで購入。「格闘用」として育成する。

③悲劇
「黒人の権利」を唱える北部に影響され、黒人の反乱も発生。しかし、反抗した黒人は容赦なく始末されてしまう。黒人を売買するだけでなく、黒人女性と関係を持つハモンド。そのことでウォーレン、白人の妻ブランチ(スーザン・ジョージ)、ミードに悲劇が。

4.感想
『処刑教室』でおなじみのペリー・キング、モハメド・アリとの試合で有名なケン・ノートンが出演したかなりの問題作。奴隷制は今なお続く人種問題の原点。どこまでが本当にあった出来事なのか(個人的に)知らないため、この映画の内容が「真実かどうか」ではなく内容を紹介。奴隷商人と組んで儲けるマクスウェル父子。ハモンドは理性的なところと激しいところがある男。この男の一貫しない態度のせいで様々な悲劇が(妻に不満があるためハモンドは黒人奴隷の女性の方を大事にする。ミードに対しては、友人のように接したり、怒りをぶつけたり)。結局、黒人がどうのとか、奴隷制がどうの、とかいうよりも、ハモンドという男に問題があった、という気がする映画。困惑するようなシーンが連発されるショッキングな作品(黒人奴隷を家畜のように扱うウォーレン、読み書きする黒人奴隷を制裁するマクスウェル父子、サディスティックなチャーリー(ハモンドのいとこ)、ブランチが隠している「秘密」、黒人同士の乱闘に興奮する白人たち、奴隷の逃亡・処刑、マンディンゴ同士の決闘、毒と熱湯、ほか)。マンディンゴ同士の試合は素手で行われ、「何でもアリ」のまさに「決闘」という感じがする悲惨なもの(これが近代ボクシングの原点か?)。悲惨なシーンが多く、あまりオススメできない映画ですが、「人権」を考えるキッカケになるのでないかと思われます。登場キャラの生き方・思考に注目の作品です。

ジェームズ・メイソン:出演作多数。カーク・ダグラス海底二万哩』(1954年)ではネモ船長、『地底探検』(1959年)では地下を探険する学者、『夜の訪問者』(1970年)ではチャールズ・ブロンソンを脅迫する脱獄犯を演じた。
ジャンゴ 繋がれざる者(2012年):ジェイミー・フォックス演じる黒人奴隷が逃亡し、生き別れになった妻を捜す映画。黒人奴隷の売人をレオナルド・ディカプリオが怪演。

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