「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:『死体を売る男』(1945年:ベラ・ルゴシ、ボリス・カーロフ)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」解剖学で有名な医師が脅迫される怪奇映画。名高い医師、ウラの仕事を引き受けてきた男、若い医学生といった人間関係に注目です。

1.ストーリー
エディンバラの医師マクファーレンは腕の良さと弟子を育てる「人格者」として名高いが、その成功にはウラがあった。

2.キャスト
ヘンリー・ダニエル(医師)
ラッセル・ウェイド(医学生
エディス・アトウォーター(医師の妻)
ベラ・ルゴシ(使用人)
ボリス・カーロフ(御者)

3.注目のシーン
①主役
1831年エディンバラ。医師マクファーレン(ヘンリー・ダニエル)は「腕がいい」と評判。しかし、最近は弟子の育成に忙しく、手術の依頼を断ったりする。

②ワケあり
マクファーレンには「秘密」が。マクファーレンが人体に詳しいのは多くの遺体を解剖してきた経験から。しかし、その遺体は「運び屋」を自称する御者グレイ(ボリス・カーロフ)が墓地から盗んできたり、殺人を犯したりして入手したもの。それを知っているマクファーレンは共犯であり、マクファーレンの妻メグ(エディス・アトウォーター)は美人だが表情が暗い。

③キャラ
マクファーレンの使用人ジョセフ(ベラ・ルゴシ)は妙な奴で、何かを企んでいる。マクファーレンの弟子フェティーズ(ラッセル・ウェイド)はマジメだが、マクファーレンの悪事に巻き込まれてしまう。事故で足が不自由になった少女とその母はマクファーレンに手術してもらいたいと希望。町で歌を歌って小銭を稼ぐ少女は気の毒な役どころ。

4.感想
当時の怪奇スターが登場する心理描写が見せ場のモノクロ怪談映画。『フランケンシュタイン』(1931年)のボリス・カーロフ、『魔人ドラキュラ』(1931年)のベラ・ルゴシ。「マクファーレン」を演じるヘンリー・ダニエルもこの二人に負けない貫禄。古い作品なので残酷描写はそこそこ。主役は「ワケあり」で高名な医師マクファーレン。腕を上げるためにはまだまだ解剖用の遺体が必要。しかし、遺体調達係のグレイに脅されたり、ナメられたりして我慢の限界。マクファーレンとグレイはついに決裂。どんな結果になるか? 「成功者の裏の顔」「取り憑かれた人間の末路」を描いた傑作。見所は、濃いキャラの登場人物たち、車椅子の少女、グレイとジョセフのトラブル、グレイがマクファーレンを挑発する理由(歪んだ欲求&恨み)、マクファーレンとグレイの取っ組み合い、墓地&馬車のシーン(幻覚・幻聴)、ラストのオチ。一難去ってまた一難、といった感じの教訓を感じる内容です。

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