「鉄板映画:人気スター映画のブログ」地獄のカンボジアを描いた実話戦争映画。「クメール・ルージュの基準」で処刑されていく人たち、決死の脱走に注目です。
1.ストーリー
ベトナム戦争の影響が波及していくカンボジアでアメリカ人とカンボジア人の新聞記者が取材活動をするが・・・。
2.キャスト
サム・ウォーターストン(記者)
ハイン・S・ニョール(記者)
ジョン・マルコヴィッチ(記者)
ジュリアン・サンズ(記者)
3.注目のシーン
①主役
1973年、カンボジアで取材活動をするシドニー・シャンバーグ(サム・ウォーターストン)。当時カンボジアでは政府軍と「クメール・ルージュ」が激しい戦闘。革命派のクメール・ルージュが優勢。そして1975年、ついにプノンペンを掌握。それまで支配する側だった者は容赦なく殺され、「クメール・ルージュの基準・価値観」に反する行為をした者も無惨な目に。
②通訳
シャンバーグの取材活動に協力する記者および通訳のディス・プラン(ハイン・S・ニョール)。カンボジア人で、英語、フランス語もできる。しかし、クメール・ルージュからすればプランのような「知識人」は殺害、または「再教育」の対象。プランは強制労働させられ、死の寸前。脱走したが、ついに力尽きて遺体だらけの場所で倒れてしまう。
③キャラ
シャンバーグ、プランと同じくカンボジアで取材するアル・ロッコフ(ジョン・マルコヴィッチ)、ジョン・スウェイン(ジュリアン・サンズ)。クメール・ルージュに拘束されて処刑の危機。
4.感想
「地獄」を描いた映画。現実にあった出来事であるため、ホラー映画よりも恐ろしい。東南アジアの戦争を描いた映画は非常に残忍なシーンが多い(ミャンマーを描いた『ランボー/最後の戦場』ほか)。なぜそこまで他人に残酷なことができるのか? 「革命派」のクメール・ルージュはそれまでの社会を否定。「世の中に毒されていない子供たち」を洗脳して「兵士」として活用。洗脳された子は武器を持ち、「革命の精神に反する者」を断罪(処刑)する。こういった人間が大人になったらもっと残忍になるのは間違いない。戦争が終わったとしても、そういうことをやった人間はその価値観で生き続ける。それは新たな問題を引き起こすと思うが、どうだろう? 「クメール・ルージュの残忍さ」を描いた映画ですが、当時の状況に詳しい人によると、この映画は「一方的な表現」だという。「なぜ虐殺が起こったのか」「その背景(アメリカ・中国・ベトナムの影響、カンボジア人同士の勢力争いもからんでなかなか複雑)」が描かれていないというのがその理由。しかしながら、同じ民族同士で残忍なことが行われたのは事実。関心のある方はその背景を調べてみてはいかがですか?
クメール・ルージュ:共産主義思想の下、カンボジアを農村社会主義に転換しようとした勢力。中国から経済的・軍事的支援を受け、国民を地方の農村に移住させて労働を強いた。知識人の処刑、強制労働、栄養失調による病気などで人口の約4分の1が死亡。これらの蛮行は1978年にベトナム軍が侵攻したことで終了。2001年にカンボジア政府が大虐殺に関与した者の責任を問うための「カンボジア特別法廷」を設置。関係者が処罰されたことによって、ようやく形式上の決着。
サム・ウォーターストン:ブラックコメディ『シリアル・ママ』(1994年)では「どこか抜けたパパ」をコミカルに演じた(『キリング・フィールド』での演技とは大違い)。
(YouTube)
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