「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:『ズール戦争』(1964年:スタンリー・ベイカー、マイケル・ケイン)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」南部アフリカで英軍が大勢のズール人と戦う実話戦争映画。人数で圧倒的不利の英軍の戦いぶり、ズール人の衣装・武器に注目です。

1.ストーリー
1879年、イギリス帝国と南部アフリカのズールー王国との間に戦争が勃発。砦に立て籠もる百数十名の英国兵がズールの大軍に包囲される。

2.キャスト
スタンリー・ベイカー(中尉)
マイケル・ケイン(英国兵)
ジャック・ホーキンス(宣教師)
ウラ・ヤコブソン(宣教師の娘)
ブテレジ(セテワヨ)

3.注目のシーン
①南部アフリカ
歴史上の知識が必要な映画。アフリカ南部は複雑な地域。植民地政策を拡大するイギリス、ボーア人(オランダ系植民者)、ズールー王国が支配を巡ってニラみ合い。ボーア人は英国を嫌って1852年にトランスヴァール共和国(後の南アフリカ共和国)を建国(そして1880年、英国・オランダ間で第一次ボーア戦争勃発)。この映画は1879年が舞台。ズールー王国の王セテワヨは問題のある人物(内戦で王位に。典型的な独裁者で、命令に反した大勢の女性を殺害。ただ、映画の中ではそういう説明は無かった)。数に任せて英国軍を攻撃・虐殺。さらに砦に立て籠もる百数十名の英国兵を大軍で包囲する。

②キャラ
ズールー王国の王セテワヨ(ブテレジ)。部族の集団結婚を祝うダンスを楽しみ、その後は英国軍を攻撃。英国軍はジョン・チャード中尉(スタンリー・ベイカー)をリーダーとし、サポート役でゴンヴィル・ブロムヘッド(マイケル・ケイン)。腕は立つが「ハミ出し者」のヘンリー・フック(ジェームズ・ブース)、料理人、軍医、スウェーデン人宣教師オットー・ウィット(ジャック・ホーキンス)、その娘マーガレタ(ウラ・ヤコブソン)。ウィットは「戦争反対の立場」を貫くが、その主張は戦場では「兵士の戦意を削ぐ」邪魔なもの。無慈悲な戦闘が始まり、娘と共に無力感でいっぱいに。英国に協力するボーア人も英国と共にズールー軍に対抗する。

③秘話
撮影当時、南アフリカアパルトヘイトの時代。「ズールー人に映画出演の報酬を払ってはならない」という当局からの命令があり、撮影スタッフはズールー人に牛300頭、撮影で使ったセット(しっかりした造りの建物)をプレゼントしたという。

4.感想
ズール戦争の戦闘シーンを描いた映画。「なぜこの戦争が起こったのか?」ということは映画の中では説明されません。それはおそらく「敵味方関係なく、戦争というものは残忍で虚しいものである」ということを主張したい、という製作陣の意図だったのではないかと。当時の戦争は「破壊力」という点では穏やかなもの。英国は銃剣、ズールーは英国から奪った銃、民族独自のヤリと盾で合戦。しかしその戦い方(銃剣で相手を刺すなど)は近代戦争(ミサイルで一瞬にして破壊)より残酷なような気がする。結局、英国に屈することになるズールー、ボーア人。そして今、黒人主導の独立国家となった南アフリカ。「ズール戦争とは何だったのか?」を考えながら鑑賞するのがオススメです。見所は、ズールーの結婚の儀式、戦う英国軍&逃げ出す英国の騎兵隊、合戦が迫る緊迫感。激しい戦闘。

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