「鉄板映画:人気スター映画のブログ」中東のある産油国での石油・王位争いをめぐる陰謀を描いた映画。多くの登場人物、それぞれの思惑。最後に勝つのは誰なのか、に注目です。
1.ストーリー
アメリカの石油会社がカザフスタンの油田開発権を得たことにより、大きな合併話が進行し・・・。
2.キャスト
ジョージ・クルーニー(CIA)
マット・デイモン(アナリスト)
クリス・クーパー(石油会社の社長)
アレクサンダー・シディグ(王子)
クリストファー・プラマー(弁護士)
3.注目のシーン
①キッカケ
石油会社「キリーン」。カザフスタンでの油田開発権を獲得。しかし、賄賂を使った疑い。一方、石油会社「コネックス」はある産油国の油田権益を中国に奪われて苦境。そこで「コネックス」は「キリーン」と合併し、アメリカのエネルギー確保を万全にする体制を整えようとする。
②ある産油国
「石油依存」および「アメリカ依存」からの脱却を考える「自立派」ナシール王子(アレクサンダー・シディグ)。中国に油田権益を売ったことでアメリカを敵に回してしまう。国王はそのことで悩み、「次期国王」にナシールの弟で親米派のメシャール王子を指名。
③CIA
CIAエージェントのボブ(ジョージ・クルーニー)はアラビア語に堪能な中東のエキスパート。しかし、イランでミサイルを奪われるミス。さらに「ナシール暗殺」に失敗したことでマズい立場に。
④アナリスト
デリバティブ会社のエネルギーアナリスト、ブライアン・ウッドマン(マット・デイモン)。改革派のナシール王子に取り入って自分のアイデアを売り込もうとしている。しかし、そのことで家族に悲劇と亀裂が。
⑤弁護士
「コネックス」と「キリーン」が合併することになり、合併後の新会社を担当することになった弁護士ベネット・ホリデイ(ジェフリー・ライト)。合併には「当局の承認」が必要だが、その妨害になる贈賄罪について調査。ベネットをバックアップするのは大物弁護士ディーン・ホワイティング(クリストファー・プラマー)。政財界に大きな影響力を持つ男で、この映画の陰の中心人物。

4.感想
多くの人物が登場する複雑な内容。登場人物をメモしながら鑑賞するのがオススメ。この映画の何が難しいかと言うと「テンポが速いこと」。登場人物がどんな人間でどんな考えを持っているのか、ということをこちらが理解する前に次々といろんな人物が登場して、様々な出来事が起こります。しかしながら、結局は「アメリカが中東のある国での親米派と改革派の争いに介入してアメリカが有利になるように工作する」というおなじみのパターン。世界のエネルギーと経済体制を支配し続けようとするアメリカ。親米派にはアメを与えて、改革派にはムチを与える。改革派のナシール王子。そしてナシールと関係を強めるブライアン。CIAのボブ。彼らの運命は? 見所は、冒頭のイランでの工作活動、石油会社合併で職を失うパキスタン人(アラビア語ができないため国外追放の危機。そして過激思想に洗脳されていく)、ベイルートのヒズボラ占領地区(過激派が仕切っている地域)&拷問シーン、ナシール王子の怒り、アメリカ軍の空爆、タンカー攻撃。ストーリー展開が速く、理解が難しい映画。それはおそらく意図的な演出で、「何度でも鑑賞して下さい」というのが製作者の狙いなのではないかと。「もし自分がナシール王子(改革派)だったらどう行動するか?」を考えながら鑑賞するのがオススメです。
クリストファー・プラマー:『ピンク・パンサー2』『ドラグネット 正義一直線』『12モンキーズ』
(YouTube)
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