「鉄板映画:人気スター映画のブログ」元メジャーリーガーのGMが画期的な方法でチームを作る映画。野球のシーン、周囲との軋轢、新しい手段とその結果に注目です。
1.ストーリー
元メジャーリーガーのGM(ゼネラルマネージャー)がデータを駆使して新しいチームを作ろうとするが、スカウト陣と対立し・・・。
2.キャスト
ブラッド・ピット(GM)
フィリップ・シーモア・ホフマン(監督)
ジョナ・ヒル(分析屋)
3.注目のシーン
①主役
元メジャーリーガーで、今ではアスレチックスのGMを務める ビリー・ビーン(ブラッド・ピット)。2001年のプレーオフは「カネ持ちチーム」ヤンキースに敗れて敗退。さらに高額の契約金でヤンキースに有力選手を引き抜かれ、チームの主軸が欠けてしまった。
②分析屋
アスレチックスのオーナーはカネ持ちではない。「今の予算でチームを作れ」とビリーに指示。インディアンズとトレードの交渉をするビリー。そこで選手をデータ分析するピーター・ブランド(ジョナ・ヒル)と出会う。ピーターの正確な分析に感心したビリーはピーターをスカウト。過去のデータに基づいて選手をスカウトし始める。
③反発
「データが推薦する選手」はピークを過ぎたベテラン、ケガで万全でない選手、遊び人、変わった投げ方をする投手などスカウト陣および監督アート・ハウ(フィリップ・シーモア・ホフマン)からすると「対象外」の選手ばかり。アートはこれらの選手を試合に出したがらないが、ビリーはデータを信用する。
④キャラ
ビリーはかつてメッツの有望選手だったが、活躍できず。そのためスカウトマンの調子のいいセリフは信用しない。別れた妻との間に娘がいるが、娘との関係は良好。多くの野球選手、関係者たちが登場。メジャーリーグは「勝つことが全て」という考えらしく、選手をシーズン中でもトレードに出したり、解雇したり。そのため選手は「チームに対する思い入れ」よりも「自身が結果を出すこと」を優先する。また、オーナーは試合に勝つことや選手を有利な条件で売ることによって儲けることを優先する。「爽やかなスポーツ」というより、実に「ビジネスライクな世界」。

4.感想
実話がベースの一風変わった野球映画。普通「野球映画」はチャーリー・シーン『メジャーリーグ』のように試合に勝つことを選手が目指してチームが団結。その頑張りぶりを鑑賞する、というのがパターンだと思いますが、この『マネーボール』はそうではありません。選手時代の苦いトラウマがあるGM。良い選手は「カネがある球団」が奪っていく状況で新しい取り組み。データを分析して「使える選手」を安く手に入れようとする。その結果は? という内容。ストーリーやキャラ設定に少し違和感。このGMは「最後に負けたら意味が無い」という考えですが、「勝つこと」よりも「自分のアイデア(データ分析によるチーム作り)」にこだわっているような感じ。また、「カネで物事を決断しない」ということですが「選手をトレード(売買)する様」はかなりビジネスライク。結局、メジャーリーグはスポーツを利用した「商売の世界」ということでしょうか? 個人的には、過去のデータで良いチームができるワケがないと思いますし、また「カネ持ちチーム」が大金で選手を買って勝利してもファンは喜ばないのでは? という気も。見所は、球団間の格差(資金力で決着。貧乏チームはいつも負け役)、スカウト会議、新チーム&開幕戦、GMと監督の対立、ロッカールームで怒り爆発、トレードで快進撃、プレーオフ、レッドソックスからのオファー。試合のシーンがリアルな映画。選手に解雇やトレードを言い渡すシリアスなシーンにも注目です。
フィリップ・シーモア・ホフマン:実に個性的な役者。ロバート・デ・ニーロ『フローレス』では「女装家」、トム・クルーズ『ミッション:インポッシブル3』では「タチの悪い悪役」を好演。
(YouTube)
-------------
Amazonショッピングサイトのリンクです。
![マネーボール [Blu-ray] マネーボール [Blu-ray]](https://m.media-amazon.com/images/I/51F8W9Du6WL._SL500_.jpg)