「鉄板映画:人気スター映画のブログ」キートンがワガママな舞台女優と結婚する話、どんくさ芸能マネージャーになる話。女性に振り回される悲しさ、トーキーに注目です。
『キートンの結婚狂』(1929年)

1.注目のシーン
①ストーカー?
クリーニング店の店員エルマー(バスター・キートン)。舞台女優トリルビー(ドロシー・セバスチャン)の大ファン。他人のタキシードを勝手に拝借して熱心に彼女の舞台を鑑賞し、楽屋を訪ねる。まるで「付きまとう」かのような「おっかけ」ぶり。
②負けず嫌い
しかし、トリルビーはあまり「いい女」ではない。共演者の男と恋仲であるが、この男は浮気者。ブロンド女とイチャつくのを見て、トリルビーは嫉妬で怒り。その腹いせにエルマーと結婚。しかし、トリルビーにはエルマーへの愛はなく、彼女のマネージャーも二人を離婚させようとする・・・。
2.感想
キートンが妙な結婚をする内容。エルマーはある女優の大ファン。しかし、彼女は失恋の怒りからヤケっぱちに。そんな女と結婚したエルマーはどんな結婚生活を? 見所は、ストーカーなエルマー(ちょっとヤバい奴)、観劇(隣の席のオッチャンに迷惑かける)、代役で舞台出演(ヘンな付けヒゲ&大ドジ連発)、女同士の確執、ベッドでのドジ(みっともなく酔ったトリルビーをエルマーが寝かせようとするシーン)、犯罪者の脅迫、船での苦労(火事&パニック、密輸団による乗っ取り)、「エルマーvs.密輸団」。ありえないストーリー(しかし、これはコメディですから)。例によって「キートンがドジるシーン」が見せ場ですが、ちょっとワザとらしすぎて笑えないところも。
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『キートンのエキストラ』(1930年)

1.注目のシーン
①三人組
ローカルな町、ゴーファー市の「ミス」に選ばれたエルバイラ(アニタ・ペイジ)。母(トリクシー・フリガンザ)、マネージャーのエルマー(バスター・キートン)の三人でハリウッドを訪ねることに。娘を女優にしたい母だが、どんくさいエルマーにはウンザリ。
②キャラ
エルバイラはかわいいタイプではあるが、女優向きの性格ではなさそう。エルバイラの母はいわゆる「ステージママ」で、性格がキツい。エルバイラらがハリウッドに向かう列車で出会う人気俳優ラリー・ミッチェル。紳士的なミッチェルにエルバイラは感心。ハリウッドのスタジオで働く監督、スタッフ、警備員は邪魔でどんくさいエルマーにイライラ。話が通じないエルマーは「頭がおかしい」レベルのヘンな奴。
2.感想
キートン初のトーキー作品。女優志望のエルバイラだが、ハリウッドと自身に幻滅。意外なことに母とエルマーに映画出演のチャンスが。どんな結果に? 見所は、列車と乗車券でトラブル、ハリウッドでの上映会(多くのスターたち)、撮影現場で混乱を呼ぶエルマー(爆発シーンの撮影でやらかし、ほか)、端役で出演するエルマー(セリフが覚えられない悲しさ)、ミッチェルの下心、エルマーとミッチェルの意外な関係、リハーサルの相手役を務めるエルマー(大女からのビンタに苦悶)、へなちょこコメディ&ミュージカル、三人組の運命。ラストが切ない名作。水槽にダイブする危険なスタントシーンもあります。
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