鉄板映画：『チャンプ』（1931年：ウォーレス・ビアリー、ジャッキー・クーパー）

「鉄板映画：人気スター映画のブログ」子連れの元ボクサーが息子のためにカムバックするドラマ映画。父子の暮らし、落ちぶれた生活、再起を目指す戦いに注目です。

１．ストーリー
元世界ヘビー級王者が自堕落な生き方を変えようとカムバック戦を行うことに。

２．キャスト
ウォーレス・ビアリー（元ボクサー）
ジャッキー・クーパー（息子）
アイリーン・リッチ（元妻）
ヘイル・ハミルトン（資産家）
ロスコー・エイツ（友人）

３．注目のシーン
①主役
元世界ヘビー級王者のアンディ・パーセル（ウォーレス・ビアリー）はどうしても酒が辞められない男。王座も飲酒が原因で失ったらしい。今では情けないことに酒とバクチの日々。身体はたるんで、文無し。そんな父を「チャンプ」を呼んで慕う息子のディンク（ジャッキー・クーパー）。二人は一見楽しく暮らしているが、将来の無い生き方。ある日、バクチで儲けたカネで馬を買ったアンディ。それがキッカケで人生が大きく変わることになろうとは。

②出会い
資産家のトニー（ヘイル・ハミルトン）。ニューヨークで暮らしているが、妻リンダ（アイリーン・リッチ）と共に競馬場に。レースにはリンダが所有する馬「ブルーボーイ」、ディンクがアンディからプレゼントされた馬「リトルチャンプ」が出場。それがキッカケでリンダとディンクが対面。実はリンダはかつてアンディと結婚していた時期があり、ディンクはリンダの子。ディンクがアンディとだらしない生き方をしているのを知って、ディンクを引き取りたいと考える。

③キャラ
トニーは優しい男。リンダとの間に娘メアリー・ルー（マルシア・メエ・ジョーンズ）がいるが、ディンクを息子として迎え入れようとする。メアリー・ルーはディンクを「新しい兄」としてコミュニケーションしようとするが、話が合わない。アンディの友人スポンジ（ロスコー・エイツ）はやや言葉が不自由だが、アンディのトレーニング、試合をサポート。アンディの対戦相手マヌエルはメキシコ王者。なかなかの強さで、ディンクは不安。ディンクの友達ジョナー（ジェシー・スコット）は表情豊かな黒人少年（ナイスなキャラ）。

４．感想
子役に注目の映画。ディンクがだらしなく酔っぱらう父の着替えを手伝ったり、どこにでもついていったりする姿が見せ場。それにしても情けないアンディ。昔のファイトマネーはとっくに底を尽き、何をして稼ぎを得ているのやら。「酒は辞めた」「バクチはもうやらない」は全部ウソ。つまらんことでケンカして逮捕されたり、息子をガッカリさせる賭事をやったり。しかし、ディンクはそんな父との生活が楽しいらしい。「これではイカン」とばかりにアンディはメキシコ王者と対戦することになったが、どんな結果に？　見所は、プロモーターとの会合、バクチで勝ったカネで高価な買い物、レース場での出来事、ディンクとメアリー・ルーの噛み合わない会話（育ちが違う）、アンディ逮捕（ディンクとジョナーの表情に注目されたい）＆留置所での出来事、ニューヨークに向かう列車での出来事、アンディのトレーニング＆試合。「落ち目の悲哀」が描かれた教訓的な映画です。

ジャッキー・クーパー：子役でブレイク。しかし、年を取ってウケなくなっていく「子役あるある」な苦労。大人になって復活。『刑事コロンボ』『刑事コジャック』といったTVシリーズ、映画ではクリストファー・リーヴ版『スーパーマン』シリーズで「デイリー・プラネット社」の編集長「ペリー・ホワイト」を演じた。

（YouTube）