「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:『007は二度死ぬ』(1967年:ショーン・コネリー、若林映子、丹波哲郎)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」MI6のジェームズ・ボンドアメリカの衛星を奪った謎の飛行物体を日本で調査するスパイ映画。日本を表現した「珍演出」が楽しい傑作です。

1.ストーリー
MI6(イギリス情報局秘密情報部)のエージェントがアメリカの衛星を奪った謎の飛行物体を調査するため日本へ。

2.キャスト
ショーン・コネリー(MI6)
バーナード・リー(MI6)
デスモンド・リュウェリン(MI6)
ロイス・マクスウェル(MI6)
若林映子(謎の美女)
丹波哲郎(秘密警察)
ドナルド・プレザンス(犯罪組織の首領)

3.注目のシーン
①主役
謎の宇宙船がアメリカの衛星を飲み込む事件発生。「ソ連の仕業」として激怒するアメリカ。どうやら事件の黒幕は米ソを争わせようとしているらしい。「MI6」のジェームズ・ボンドショーン・コネリー)が事件の背後を探る任務に就くことに。

②悪役
衛星を飲み込むなんてことができるのは大国か巨大な組織ぐらいのもの。犯人はやっぱり秘密結社「スペクター」。衛星を奪って世界を脅迫。

③キャラ
MI6のM(バーナード・リー)、Q(デスモンド・リュウェリン)、マニーペニー(ロイス・マクスウェル)のレギュラー陣。悪役でドナルド・プレザンス島田テル、「大里化学工業」のデカいガードマン(プロレスラーのピーター・メイビア。あのドウェイン "ザ・ロック" ジョンソンの祖父)。日本からは丹波哲郎若林映子浜美枝らが参加。チョイ役でバート・クウォーク(『ピンクパンサー』シリーズの「ケイトー」でおなじみ。今作では「スペクター」の秘密基地のオペレーターの役)。(思わず笑ってしまうような)忍者部隊や(なぜかボンドとコンタクトを取る役割の)相撲取りにも注目。

④アクション
「大里化学工業」潜入作戦、カーチェイス(ボンドを追跡する車とデカい磁石)、神戸港での戦い、「ヘリ vs. ヘリ」の空中戦、「スペクター」の秘密基地での大乱戦が主な見所。

⑤演出
「おもしろシーン」の総集編のような内容。宇宙で衛星が奪われるシーン(宇宙船がゆっくりとした動きでどことなくコミカル)、香港でのボンド(銃撃されて「死んだフリ作戦」)、潜水艦で「帽子投げ」、日本の描写(東京の街、相撲観戦、日本式の風呂、、忍者の訓練、日本人に変装して島に潜入、結婚式、ほか)、ピラニアの池、ブロフェルドの素顔、「スペクター」の秘密基地(意外な場所に)。シリーズおなじみの「秘密兵器」は「リトル・ネリー(一人乗り用ヘリ)」(日本までQが届けにきてくれました)。

4.感想
日本人にとっては人気スターの映画が日本で撮影されるのは嬉しいことなのではないかと(『香港発活劇エクスプレス 大福星』『ブラック・レイン』など)。この映画で面白いのは「日本」。かなり昔の映画なので町の様子も現在とは全然違う(当時を知っている人には懐かしいのでは?)。来日し、怪しい女や相撲取りに接触するボンド。秘密警察のタイガー田中(丹波哲郎)は専用車両で移動。風呂に入るときは女に世話させる。忍者も出てきます。一回観ただけでは消化できないほど「おもしろ演出」にあふれた作品。今回の「スペクター」の計画は、米ソに戦わせて戦後にブロフェルドが「世界の支配者」になろうとする、というもの。その結果は? ツッコミどころがいっぱいの映画。「スペクター」には莫大なカネを使ってまで衛星を奪ったり、秘密基地を作ったりしたメリットがあったのか? という気も。アクション(「田中率いる忍者軍団 vs. スペクター」ほか)、ユーモア(珍シーン)、アイデア(磁石で車を海にドボン、「リトル・ネリー」ほか)の大作(悲しいシーンも)。DVDにはメイキング(30分)、オープニング・シルエットについて(22分)が収録されています。ストーリーはシリアスですが、製作陣の「遊び心」にあふれた、楽しく鑑賞できる娯楽作です。

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