「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

名作映画全集。ジャンルを問わず多くの作品を紹介。全記事無料です。

鉄板映画:『猿の惑星』「猿にも劣る人類」

猿が完全に地球を支配する「3978年の世界」。「現代(映画の制作時点)~破滅の日」まで、人類に何があったのか? 壮大なシリーズ全五作を振り返ります。「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

猿の惑星(PLANET OF THE APES:1968年)
地球時間で3978年。宇宙飛行士テイラーチャールトン・ヘストン)、ドッジ、ランドンがどこかの惑星に不時着。人間を発見。しかし彼らは、言葉を発することなく、食べ物をむさぼる野生化した動物にすぎない。人間狩りを楽しむ猿。ここは人間と猿の立場が完全に逆転している世界(管理職はオランウータン、軍隊など力を行使するのはゴリラ、その他はチンパンジーという大体の区別がある)。動物心理学者のジー(キム・ハンター)、ジーラの婚約者コーネリアスロディ・マクドウォール)はチンパンジー族。捕らえられたテイラーと女(「ノバ」とテイラーが後に名付ける:リンダ・ハリソン)を調査する。ジーラの甥の手引きで脱走するテイラーとノバ。自説(「猿の起源」について)を証明したいジーラとコーネリアスも脱走に協力。猿たちが恐れて近づかない「立ち入り禁止地帯」で静かに暮らそうとするテイラーとノバだが、彼らがそこで見たものは・・・。

『続・猿の惑星(BENEATH THE PLANET OF THE APES:1970年)
宇宙飛行士ブレント(ジェームズ・フランシスカス)が未知の惑星に不時着。テイラーチャールトン・ヘストン)とはぐれてしまったノバ(リンダ・ハリソン)と出会う。ノバがテイラーの認識票を持っているのを見て、一緒にテイラーを捜すブレント。猿の集会では、人間を敵視し、「禁止地帯」への進出を主張するゴリラ将軍がやたら勇ましい。ゴリラと意見対立するチンパンジー派(ジーラ、コーネリアスら)。ゴリラ部隊に追われるブレントとノバ。「禁止地帯」の地下で昔の廃墟を発見。そこでブレントの前に謎の集団(テレパシーを使って意思を伝えたり、相手をコントロールできる特殊能力を持つ人間たち)が現れる。そこには人類が温存してきた最後の武器である「最終爆弾」が。ゴリラ部隊が「禁止地帯」に侵入し、「最終爆弾」を撤去しようとするが・・・。

『新・猿の惑星(Escape from the Planet of the Apes:1971年)
現代(1971年?)。海に浮かぶ宇宙船。中から、未来からアメリカにやってきた三人の猿(ジーラ、コーネリアス、マイロ博士)が出現(注:「猿の惑星」の猿たちは言葉を話すことはできるが、科学力は低い。テイラーの壊れた宇宙船を修理してタイムトラベルしてきた、というのはかなり無理がある設定。しかしながら、そういうことにしないと話が進まないので仕方がない)。三人を調査する動物心理学者のルイスブラッドフォード・ディルマン)とティービー(ナタリー・トランディ)。人間の言葉を話せることを人間に知られてしまった猿たち。ジーラたちの存在を国民に秘密にするのは難しいと考えた大統領は真実を公表することを決意。査問委員会でジーラとコーネリアスは知性があることをアピール。聴衆には大ウケだが、ハスライン博士(大統領の科学顧問)はジーラたちを「人類の優位を覆す危険な存在」と見なす。CIAに尋問されるジーラたち。「猿が人間を支配する世界」の到来をハスラインは恐れる。査問委員会は「(妊娠している)ジーラを中絶させ、生殖機能を奪うこと」を決定。脱走するジーラとコーネリアスジーラがサーカスで出産。「人間の言葉を話せる猿」を抹殺しようとするハスラインはジーラと赤ん坊を追い詰め、銃を向ける・・・。

猿の惑星・征服』(CONQUEST OF THE PLANET OF THE APES:1972年)
犬と猫がウイルスで全滅(1983年)し、代わりに猿がペット化。そして1991年、北アメリカ。「労働力」として猿が人間に酷使される状況。ジーラの息子マイロを連れてサーカスの宣伝に都市へやってきたアーマンド(リカルド・モンタルバン)。マイロが人前で言葉を発してしまい、警官に聞かれてしまう。追われるマイロは他の猿に紛れて身を潜めるが、アーマンドは「人間の言葉を使う猿」について当局から厳しく追及される。自らを「シーザー」と名付けたマイロ。「人間に反抗する猿たち」を指揮。武器をとり、人間を攻撃。「猿の集団」と「人間の軍隊」がニラみ合う。そして・・・。

『最後の猿の惑星(BATTLE FOR THE PLANET OF THE APES:1973年)
核戦争後、猿と人間が村を作って共存。村を率いるのは、あのシーザー。反乱後の数年で猿たちは完全に人間の言葉をマスター。「シーザーと人間」を嫌うゴリラのアルドー将軍。「地球の未来」を知るために、シーザー、バージルポール・ウィリアムズ)、人間のマクドナルド放射能汚染地域にある記録保管所に向かう。記録保管所がある都市の廃墟には、隠れて暮らす人間が。記録テープの閲覧後、人間に銃で追われるシーザーたち。猿を全滅させようとする人間、戦争によって権力を奪おうとするアルドー。それぞれの思惑。人間軍の侵攻、戦闘。そして・・・。

壮大な歴史(要約) 
現在:テイラーの宇宙飛行
1983年:犬と猫がウイルスで全滅
1991年:「シーザー」が人間に反乱を起こす
核戦争後:猿と人間の最終戦
3978年:テイラーが「惑星に到着」。そして「最終爆弾」。

まとめ
壮大なスケールで描かれるシリーズ。劣化していく人間が痛々しい内容。ターニングポイントになったのは犬と猫がウイルスで全滅した「1983年」。人間が猿を「便利な労働者」としてコキ使ったり、バカにしたり。そんなことをやっている間に人間はどんどん劣化。猿からは当然のように恨まれ、後は「キッカケ」を待つばかりの状態に。未来からやってきた「しゃべる猿」の子孫であるマイロが他の猿を統率。ダメダメになってしまっている人類は高度な武器を持っているにもかかわらず敗北。さらに核戦争で生命体が激減。猿との最終決戦に敗れた人類は劣化する一方になり、「3978年の世界」につながっていく。このシリーズが核兵器や人類の愚かさを批判するものであるのは明らか。しかしながら、「猿の世界」でも凶暴なゴリラが平和を乱したりするように、地球というのは人間だろうが猿だろうが、誰が支配者になったとしても常に争いごとが絶えない。この映画のように地球の未来は「破滅」しかないのだろうか?

YouTube

--------------------------------------

Amazonショッピングサイトへのリンクです。
猿の惑星 ブルーレイコレクション (6枚組) [Blu-ray]

この続きはcodocで購入