「鉄板映画:人気スター映画のブログ」天才モーツァルトの素顔と最期を描いた音楽映画。人間関係、音楽シーン、当時を再現した衣装・セット、ロケーションに注目です。
1.ストーリー
「神童」と呼ばれたモーツァルトだが、権力者と衝突したり、酒に溺れたりで没落していく。
2.キャスト
トム・ハルス(モーツァルト)
エリザベス・ベリッジ(妻)
ロイ・ドートリス(父)
F・マーリー・エイブラハム(サリエリ)
ジェフリー・ジョーンズ(皇帝)
3.注目のシーン
①ウィーン
1823年、老人サリエリ(F・マーリー・エイブラハム)が過去を振り返る形でモーツァルトについて語る。ハンガリー皇帝ヨーゼフ2世(ジェフリー・ジョーンズ)に仕える宮廷作曲家のサリエリ。しかし、「若き天才」モーツァルト(トム・ハルス)がウィーンで音楽活動をすることになり、サリエリは自身のポジションを奪われることに危機感。様々な手段を使ってモーツァルトの活動を妨害しようとしたり、殺害まで考えたり。しかし、心の中ではモーツァルトの才能を誰よりも高く評価。
②天才
子供の頃から音楽の才能を発揮してきたモーツァルト。しかし、かなり自信過剰。ザルツブルクでは大司教を怒らせたり、ウィーンでは禁止されている『フィガロの結婚』を上演しようとしてヨーゼフ2世からお叱りを受けたり。先輩にあたるサリエリの曲にもダメ出し。才能がありすぎて逆にふさわしい仕事・ポジションに恵まれない状況。そんな中、アルコールに溺れ、死に神のような男から「レクイエム」の作曲の依頼。金欠、ストレスでついに演奏中に昏倒。
③キャラ
モーツァルトの父レオポルト(ロイ・ドートリス)は息子の才能を見抜いて英才教育。しかし、ウィーンでダメになっていく息子を見て、故郷ザルツブルクに帰ることを強く望む。モーツァルトの妻コンスタンツェ(エリザベス・ベリッジ)はまるで夫の「マネージャー」であるかのような態度を取る気の強さ。ヨーゼフ2世は音楽好きだが、周囲のスタッフ(サリエリ、宮廷音楽長、劇場監督ら)を重用してモーツァルトとはスレ違い。モーツァルトの家政婦ロール(シンシア・ニクソン)はモーツァルトを監視するためサリエリが送り込んだスパイ。サリエリの召使(ヴィンセント・スキャヴェリ)は主人に忠実な男。他に、大衆オペラの人気者(モーツァルトとトラブル)、犬好きの貴族。
4.感想
35歳で亡くなったモーツァルト。その天才ぶりと死因について描いた映画(ディレクターズ・カット版180分)。有名な曲をたくさん残したモーツァルト。音楽室などの肖像画で見るモーツァルトは端正な顔立ちで、貴族風。しかし、この映画に出てくるモーツァルトは思ったことをズバズバ語り、大口開けてバカ笑いし、女に手を出し、興奮して汚い言葉を使ったりする。いくら映画が作り物とはいえこれはヒドい描写だな、と思ったら、さにあらず。本物のモーツァルトもかなり品のない男だったらしい。天才過ぎて周囲とぶつかりまくったモーツァルト。「なぜ死んだのか?」というのがこの映画のテーマでありますが、結局のところ、「自滅」だったのではないかと。「周囲から浮いてしまう」という天才にありがちな人生。才能を上手く生かすことができればよいのですが、そうでないと空回りして不幸になってしまう、というのが教訓。見所は、老人になってますますイカレた感じになったサリエリ(精神病院の描写にも注目されたい)、モーツァルトの言動、ザルツブルクの大司教(「ワンポイント英会話」でおなじみのウィッキーさんに似ている)、サリエリに体を求められるコンスタンツェ、犬を音楽で調教、だらけた仮面パーティ、レオポルトとコンスタンツェの衝突、落ちぶれていくモーツァルト、キツいことを言う義母、瀕死の状態で楽譜を作成、葬儀&雑な埋葬。寂しすぎる最期のモーツァルト(子供はできたが、その子たちには子供ができなかったという)。意外な素顔に注目です。
モーツァルト:『交響曲第25番』『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』『ピアノソナタ第11番(トルコ行進曲付き)』など。
(YouTube)
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