「鉄板映画:人気スター映画のブログ」英国に支配されるインドを独立に導いたガンジーの半生を描いた実話映画。人種差別、平和的な手段、その結末に注目です。
1.ストーリー
南アフリカで差別を経験した弁護士ガンジーが、地元インドで英国からの独立運動を展開。
2.キャスト
ベン・キングズレー(ガンジー)
ロシャン・セス(ネルー)
キャンディス・バーゲン(カメラマン)
マーティン・シーン(記者)
アリク・パダムゼ(ジンナ)
3.注目のシーン
①主役
1893年、インドの弁護士ガンジー(ベン・キングズレー)が南アフリカで人種差別を受ける。インドと南アフリカは共に英国の傘下にあるが、白人が優位でインド人は「格下」扱い。抗議活動・投獄を経て、現地の将軍と和解。1915年、インドに帰国。「国民会議派」を結成し、国を視察。英国による支配で国民生活は貧しい。穏健路線「非暴力」でインド人の権利を英国から取り戻そうとする。
②英国
英国がインドを支配したのはインド産の布がヨーロッパでブームになったのがキッカケ。ヨーロッパ諸国が植民地獲得競争を展開する中、英国とフランスがインドをめぐって抗争。東インド会社を使って英国が勝利。産業革命によって機械で作られた英国製の綿織物がインドへ流入。綿織物を買う側になったインドは産業が衰退し、金銭的に打撃を受け、ますます英国に支配されるようになっていった。
③独立
英国本国でも暴力的な植民地支配に対する批判が高まり、英国はついにインドを手放す。しかし、ヒンズー教徒とイスラム教徒が混在するインドは元々、不穏な雰囲気。英国の強い支配が無くなり、インドはヒンズーのインド、イスラムのパキスタンに分裂。1971年にはパキスタンから独立してバングラデシュが成立。インドとパキスタンは互いに核武装。カシミール地方をめぐって現在でもニラみ合っている。
④キャラ
家族と仲間に支えられたガンジー。妻は夫の活動を理解できず悩んだこともあったが、結局は良き理解者に。ガンジーの動向を取材する記者ウォーカー(マーティン・シーン)、「ライフ誌」の女カメラマン(キャンディス・バーゲン)も心強い味方。ヒンズーのネルー(ロシャン・セス)、イスラムのジンナ(アリク・パダムゼ)といった人物も考え方や宗派を超えてガンジーに協力。
4.感想
俳優としての活動もあるリチャード・アッテンボローが監督。188分もある長い伝記映画。「ガンジーとはどういった人物だったのか?」「英国による差別、インド人同士の階級差別・宗派対立」が描かれています。暴力的な手段を使って英国から独立しても遺恨を残すだけ、と考えるガンジーは「友好的な独立」を目指す。そのために糸を紡いで布を作ったり、塩を作ったりすることによって人々に独立心を持たせようとする。しかし、英国は権益を守ろうと強硬手段。インド人警官、英国軍を使ってガンジーを拘束したり、民衆を弾圧したり。結局、英国にも理性派がいたことによってインドは独立。しかし、最初からインド・パキスタンに別れる分離独立。これはガンジーが望んだことではない。ヒンズーとイスラムの融和を求めるガンジーは話し合いのためパキスタンに向かうが・・・。大勢のエキストラで描いた壮大な名作。見所は、南アフリカでのガンジー(列車から放り出される、抗議活動)、インド民衆の過激な抗議&ガンジーの断食による抗議、集会での惨劇、警察署焼き討ち事件、製塩所での抗議活動(警棒で惨事)、ロンドンでのガンジー、ヒトラーの台頭、ヒンズーとイスラムの衝突、ジンナ(イスラム派)の強硬姿勢。「植民地支配」とは何だったのか? その「負の遺産」は現在も残っています。ガンジーの残した言葉を噛み締めながら鑑賞するのがオススメです。
リチャード・アッテンボロー:俳優としてスティーブ・マックイーン『大脱走』(1963年)、ジョン・ウェイン『ブラニガン』(1975年)に出演。監督作ではマイケル・ダグラス『コーラスライン』(1985年)、『遠い夜明け』(南アフリカのアパルトヘイトがテーマ。1987年)が有名。
(YouTube)
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