「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:クリント・イーストウッド特集(15)「アメリカの鬼軍曹&賞金稼ぎ」

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」アメリ海兵隊の軍曹が落ちこぼれ部隊を訓練する『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』、賞金稼ぎが保釈金を踏み倒して逃げた女を追う『ピンク・キャデラック』を紹介します。

『ハートブレイク・リッジ 勝利の戦場』(Heartbreak Ridge)

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映画チラシ

1.ストーリー
アメリ海兵隊の軍曹がだらしない「落ちこぼれ部隊」を鍛え直す。
(1986年公開)

2.キャスト
クリント・イーストウッド(軍曹)
マーシャ・メイソン(元妻)
マリオ・ヴァン・ピーブルズ海兵隊員)
エヴェレット・マッギル(少佐)

3.注目のシーン
①主役
古参兵のトム・ハイウェー(クリント・イーストウッド)。アメリ海兵隊の軍曹。朝鮮戦争名誉勲章を与えられた過去。しかし、素行不良なところがある困った奴。留置所でもケンカするなど、戦争がない平和な時代には役に立たないトラブルメーカー。そんなハイウェーに新しい任務が。どうしようもないほどだらけきった海兵隊の「落ちこぼれ部隊」を教育すること。

②悪役
「悪役」というより「イヤな奴」といったキャラの「パワーズ少佐(エヴェレット・マッギル)」。実戦経験が無いのがコンプレックス。百戦錬磨のハイウェーに負けたくないため実に偉そうな態度。

③キャラ
かつての戦友、ハイウェーの元妻アギー(マーシャ・メイソン)、ハイウェーのかつての上官の未亡人、昇進試験のことで頭がいっぱいのリング中尉、など。しかし、映画の中心となるのはハイウェーにしごかれる「だらしない隊員」たち。その筆頭がミュージシャン気取りのスティッチ・ジョーンズ(マリオ・ヴァン・ピーブルズ)。他にもフラゲッティ、アポンテ(ハイウェーから「アンポンタン」呼ばわりされてしまう)、デカい奴、など。

④アクション
「落ちこぼれ部隊」が訓練を受けるシーン、ハイウェーとパワーズの一騎打ち、ハイウェーと若手隊員がグレナダアメリカの民間人を救出する任務を遂行するシーンがアクション的な見せ場。

4.感想
一風変わった戦争映画。第二次大戦を描いた映画にはシリアスなものが多いのですが、この作品は「明るい80年代」が舞台なのでコミカルな演出になっています。何と言っても面白いのが古参兵「トム・ハイウェー」というキャラ。凄腕の軍人ですが、素行不良。そんなハイウェーの新しい任務は「落ちこぼれ部隊」を教育すること。隊員たちは最初はハイウェーを軽く見てナメた態度を取ったりしますが、軽くひねられて次第にハイウェーを尊敬するようになります。パワーズ少佐も歴戦の強者ハイウェーに敵わない。スパルタ教育で成長していく隊員たち。そんな彼らにグレナダアメリカの民間人を救出する任務が。実戦ではあるが、ハイウェーの部隊は「偵察」のみ。いったいどんな任務になるか? ハイウェーが貧弱な男たちを締め上げるシーンが面白い映画。しかし、そんなハイウェーも別れた妻アギーには弱い(ハイウェーに悪態を付いたり、背中にビールを投げつけたりするアギーは実に気の強い女)。ハイウェーのスパルタ教育(ナマイキ男のサングラスを踏み潰し、シャツを脱がせてランニングさせ、「AK47ソ連が使う銃)の発射音」を体で覚えさせる)、ハイウェーとパワーズの一騎打ち、ハイウェーと知人たちとの交流、実戦に注目の名作。生意気な部下の教育にお悩みの方にオススメの映画(かもしれない)です。

(予告編:YouTubeより)

www.youtube.com

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『ピンク・キャデラック』(Pink Cadillac)

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映画チラシ

1.ストーリー
賞金稼ぎと気の毒な人妻が危ない集団に狙われる。
(1989年公開)

2.キャスト
クリント・イーストウッド(賞金稼ぎ)
バーナデット・ピーターズ(気の毒な人妻)
ティモシー・カーハート(残念な夫)
ジェフリー・ルイス(変人)

3.注目のシーン
①主役
賞金稼ぎのトム・ノワック(クリント・イーストウッド)。保釈保証業者に依頼されて逃亡者を捕らえる仕事をやっている。ラジオDJ、ピエロなどに変装して凶悪犯を捕らえる日々。そんなノワックが気の毒な人妻アン(バーナデット・ピーターズ)を捕らえる仕事を請け負うことに。

②悪役
「純血団」なる武装した人種差別集団。実態はニセ札と麻薬を扱う犯罪集団。アンのだらしない夫ロイ(ティモシー・カーハート)もこのメンバー。ニセ札を本物のカネに換えてロイのピンク・キャデラックに隠す「純血団」だが、アンがそのことを知らずにピンク・キャデラックを勝手に持ち出して「純血団」は大いに慌てる。

③キャラ
チョイ役も楽しい映画。ニセの身分証明書を作る怪しい男の役でジェフリー・ルイス。リノのカジノのステージに立つ芸人役でジム・キャリー。ノワックに逮捕される犯罪者たちもどこかコミカル。

④アクション
ノワックと「純血団」の対決が見せ場。「純血団」のメンバーに接触したり、アジトに乗り込んで銃撃戦をやったり。

4.感想
「ピンク・キャデラック」は男の夢、だそうな(こんないい車に乗るのが「男の夢」、という意味)。どうですかね? 何か派手すぎて乗ってるとこ見られたら恥ずかしいような気もしますが(気のせい?)。シリアスなものが多いイーストウッド映画。しかし、この作品はコミカルなため楽しく観ることができます。主役のトム・ノワックは変わった仕事。体力的にキツいうえに危険なことも多い。それなのにコミカルなノワック。「仕事」としてアンを捕らえようとするが、彼女の気の毒な状況に同情し、最後は凶悪集団と対決。どんな結末になるか? イーストウッドが変装して凶悪犯を捕らえるシーンが傑作の映画(ちょいと抜けた逃亡者たちがノワックの芝居に引っかかって捕まるシーンが笑える)。アクションシーンではノワックと「純血団」の対決が迫力(カーチェイスもあります)。アクション、「ノワック」というキャラの魅力(変装、銃の腕前、パンチ力)、特別出演の人たちに注目の作品。「賞金稼ぎモノ映画」は他にもスティーブ・マックイーン『ハンター』(1980年)、ロバート・デ・ニーロ『ミッドナイト・ラン』(1988年)があります。いずれもコミカルなシーンがあるオススメの傑作です。

ティモシー・カーハート:『テルマ&ルイーズ』『ビバリーヒルズ・コップ3』ほか。

(予告編:YouTubeより)

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