「鉄板映画：人気スター映画のブログ」会社にダマされた男が社長に仕返しをしようと悪戦苦闘する『ディック&ジェーン 復讐は最高!』、そのオリジナル作『おかしな泥棒ディック&ジェーン』を紹介します。
『ディック&ジェーン 復讐は最高!』（Fun with Dick and Jane)
１．ストーリー
エリート社員が突然の昇進＆解雇に戸惑う。
（2005年公開）
２．キャスト
ジム・キャリー（エリート社員）
ティア・レオーニ（妻）
ラルフ・ネイダー（本人）
アレック・ボールドウィン（CEO）
３．注目のシーン
①主役
2000年ごろの話。グローバーダイン社に勤めるディック（ジム・キャリー）。妻ジェーン（ティア・レオーニ）、息子との楽しい暮らし。車はリース（レンタル）だが、家政婦も雇っている。口が上手いディックは仕事も好調。マカリスター社長（アレック・ボールドウィン）からの御指名で大抜擢の昇進。大いに喜ぶディックだが・・・。
②悪役
実は不正会計をしていたグローバーダイン社。マカリスター社長と財務のフランクが組んで会社の負債を別会社に移し、社の財務の健全性を装っていたのだ。口が上手いディックを宣伝マンとして抜擢したのは株主を欺くため。利用されたことに気付くディックだが、マカリスターはすでに持ち株を売り抜け、ヘリで豪邸に逃亡する。
③キャラ
ディックの突然の昇進＆解雇に戸惑うジェーン。ジェーンは旅行会社で働いていたがディックが昇進したため退職。ディックが解雇されたため再び職に就くがあっけなく失職。家のローンが払えないと家を失うだけではなく、借金だけが残ってしまうヤバイ状況。
④笑い
失業、ローン、犯罪がテーマの映画。それらを面白く表現してはいますが、どちらかと言うとシリアスな内容。ジム・キャリーらしいシーンがオススメ。ディックがTV出演してラルフ・ネイダーから追求されるシーン、ある会社で面接を受けるシーン、給料が安いスーパーの仕事に就くシーン（ジェーンは知りもしない「ジークンドー」のインストラクターの職に）、ディック＆ジェーンの強盗（ジョン・レノンっぽいコスプレにも注目）、「隠し資産」をめぐる銀行でのやりとり。
４．感想
かつてアメリカで問題になった「会社の不正会計」がテーマの作品。ジョージ・シーガルとジェーン・フォンダ『おかしな泥棒ディック&ジェーン』（1977年）のリメイク。「2000年ごろ」が舞台。エリート社員のディック。会社の不正により失職。社員を募集している会社は無く、ある会社で面接を受けようとするがコケにされてしまう。住宅ローンの返済期限が迫り、追い込まれたディックは強盗してカネを作ることを決意。そして最後は悪徳社長に仕返ししようとする。どんなことになるか？ コレはつらい映画です。競争が厳しいアメリカ。失職すると再就職がほぼ不可能（同じような失業者が大量に発生するため）。「仕事ができる男」ディックが失業して自信を失っていき、ついに夫婦で強盗をしてカネを手に入れようとする痛々しい内容の映画。ツッコミどころもありますが、コレはコメディですから。DVDには未公開シーン（「デタラメなジークンドーを披露するジェーン」「おもちゃ店の警備員と戦うディック」など）が収録されています。オリジナルの『おかしな泥棒ディック&ジェーン』もオススメです。
ティア・レオーニ：『ディープ・インパクト』ほか。
アレック・ボールドウィン：今作では『レッド・オクトーバーを追え!』の時とは全然違う役。体型も変わって、同一人物とは思えない変身ぶり。
（予告編：YouTubeより）
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ジェーン・フォンダ『おかしな泥棒ディック&ジェーン』（Fun with Dick and Jane）
１．ストーリー
エリート社員だった男が突然の解雇がキッカケで強盗までやってしまう。
（1977年公開）
２．キャスト
ジョージ・シーガル（夫）
ジェーン・フォンダ（妻）
３．注目のシーン
①主役
タフト航空宇宙社のエンジニア、ディック（ジョージ・シーガル）。かつて人類を月に送った非常に優秀な男。妻ジェーン（ジェーン・フォンダ）、息子との絵に描いたような幸せな暮らし。しかし、宇宙産業が落ち目になったため、ディックはアッサリ解雇されてしまう。豪華な暮らしをしていたディック一家は生活を切りつめ、失業手当を受けたりしながら再就職を目指すが・・・
②悪役
ディックを解雇したタフト社の社長。タフト社はこれまで賄賂を使って仕事をやってきた裏が。社員を解雇しておきながら自分の地位を守る社長にディック&ジェーンは仕返しをしようとする。狙いは社長の金庫に入っている賄賂用の資金。社のパーティに出席し、ディック＆ジェーンは金庫を狙う。
③笑い
エンジニアとしては優秀なディックもそれ以外のことはあまり上手くいかない。ジェーンは美しいがどこかドジなところが。意外に不器用な二人がアレコレやらかすシーンが「笑い」。改装工事業者とのトラブル（庭の芝生をはがされ、近所の注目のマトに）、変装してオペラ出演するディック、勤め先でドジを踏むジェーン、ディック＆ジェーンの強盗（黒人の店、モーテル、レコード店、電話会社などがターゲット。電話会社が襲われて喜ぶ人々、「神のカネ」を強奪するシーンにも注目）がオススメの見せ場。
４．感想
どんな仕事にも景気・不景気の波があるようで。「エリート」にも様々な人がいます。独立してビジネスを成功させる人もいれば、会社があって初めてエリート扱いされる人も。ディックは優秀な人ですが、起業するタイプではなさそう。再就職も微妙にうまくいかない。ある日、高金利の借金をしようとするディック&ジェーンが強盗に遭遇。そのことがキッカケで二人して強盗するようになってしまう。どんな結末になるか？ ジョージ・シーガルのユーモラスな表情、キュートなジェーン・フォンダ、コミカルな演出・ストーリー展開に注目の傑作。突然の解雇で周囲が急に冷たい態度を取るシーンにも注目したいところ。リメイク版のジム・キャリー＆ティア・レオーニ『ディック&ジェーン 復讐は最高!』（2005年）もオススメです。
ジョージ・シーガル：『史上最大の作戦』『バニシング・レッド』『ケーブルガイ』ほか。
ジェーン・フォンダ：『バーバレラ』『チャイナ・シンドローム』『9時から5時まで』ほか。
（予告編：YouTubeより）
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