「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:『ミュンヘン』(2005年:エリック・バナ、ダニエル・クレイグ)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」1972年「ミュンヘンオリンピック事件」を描いた実話映画。イスラエルパレスチナの永遠に続く抗争、その背景に注目です。

1.ストーリー
パレスチナ組織「黒い九月」がミュンヘンオリンピックイスラエル代表選手を人質に。その報復としてイスラエルの特別チームが欧州で諜報活動をする。

2.キャスト
エリック・バナイスラエル工作員
ダニエル・クレイグイスラエル工作員
マチュー・アマルリック(フランス人の情報屋)
マイケル・ロンズデール(フランス人の情報屋)
リン・コーエン(イスラエル首相)

3.注目のシーン
①事件
1972年、ミュンヘンオリンピックの競技場にパレスチナ組織「黒い九月」が潜入。イスラエル選手を人質に取ったり、拉致したり。その後、イスラエルは首相(リン・コーエン)の指示で報復のための特別チームを編成。チームのリーダーは特殊部隊「モサド」のアヴナー(エリック・バナ)。しかし、この男は実戦の経験がない(疑問を感じる人選)。

②作戦
オリンピック事件を起こして欧州に逃亡した「黒い九月」のメンバー11名を追うアヴナー。協力するのは、南アフリカ出身スティーヴ(ダニエル・クレイグ)、爆弾製造担当ロバート(マチュー・カソヴィッツ)、掃除屋カール(キアラン・ハインズ)、骨董屋ハンス(ハンス・ツィッシュラー)ら。アヴナーに情報を提供するフランス人ルイ(マチュー・アマルリック)とその父(マイケル・ロンズデール)は政府を信用しないビジネスライクな謎の人物。

③危機
情報収集にカネがかかる作戦。ルイの情報により敵を倒すことができたり、メンバーを失ったり。バーでオランダ人美女がアヴナーを誘うシーンは『ゴルゴ13』に出てきそうな雰囲気。

4.感想
あのスティーブン・スピルバーグ監督が難しいテーマに挑戦。「ミュンヘンオリンピック事件」を164分で描いた大作(ノンフィクションですが、当時の関係者によるとちょっと事実とは違う部分・認識もあるとか)。イスラエル建国以来続く、「イスラエル vs. アラブ」の抗争。この『ミュンヘン』はその戦いの一つを描いたに過ぎません。敵を倒しても敵はさらに怒りと恨みでパワーアップしていき、キリが無い。おそらくどちらかが全滅するまで戦いは続くのでしょう。工作活動で手を汚す苦痛、逆に自分が狙われたり裏切られたりするのではないかという恐怖心・不信感を「アヴナー」というキャラで表現した映画。見所は、「ミュンヘンオリンピック事件」の再現映像、アヴナーの苦闘(高い情報料、暗殺、ミス)、電話爆弾のシーン、ホテル爆破(やりすぎ)、怪しいルイ親子、ベイルートでの戦闘、アテネでの失敗(KGBも巻き込む)、CIAと「黒い九月」の関係、バーの美女(その正体は?)、筒型の銃、自爆、スペインでの狙撃、猜疑心に苦しむアヴナー。イスラエルの工作活動を描いた内容ですが、パレスチナ側の言い分も表現されている「深い映画」です。

ダニエル・クレイグ:「6代目ジェームズ・ボンド」でおなじみ。『007 カジノ・ロワイヤル』(2006年)から5作品でボンド役。
マチュー・アマルリック:『007/慰めの報酬』(2008年)では「悪の実業家」を演じた。
マイケル・ロンズデール:『007 ムーンレイカー』(1979年)では「宇宙開発企業のオーナー」を演じた。

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