「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:『時計じかけのオレンジ』(1971年:マルコム・マクダウェル、アンソニー・シャープ)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」凶悪犯が刑務所で「治療」を受ける映画。矯正不能な犯罪者、画期的な新治療法、政府高官。治療シーン&その効果に注目です。

1.ストーリー
凶悪犯が仲間の裏切りによってついに逮捕され、刑務所で「治療」を受けるが・・・。

2.キャスト
マルコム・マクダウェル(凶悪犯)
パトリック・マギー(作家)
マイケル・ベイツ(看守長)
アンソニー・シャープ(内務大臣)

3.注目のシーン
①凶悪犯
不良グループのリーダー、アレックス(マルコム・マクダウェル)。妙な言葉(「ナッドサット」というらしい)を使い、傍若無人な振る舞い。ホームレスを痛めつけ、対立グループと乱闘し、車を暴走させ、民家に押し入る。仲間にも暴行し、ある日ついに陥れられる。

②治療
刑務所のスタッフや親の前では「いい子」ぶるアレックス。刑務所でも牧師の手伝いをするなど、反省したフリをする。「画期的な矯正治療」を受ければすぐに出所できると知ったアレックスは被験者になることを申し出る。

③効果
その治療はある博士が開発したもので、「苦痛を与えながら暴力的な映像を鑑賞させる」というもの(「暴力的な気持ちが生じるとその時の苦痛が甦るため、犯罪を犯せなくなる」という理屈)。治療され、出所する前にテストを受けるアレックス。その効果を全く信用していなかった看守長バーンズ(マイケル・ベイツ)もアレックスの変わった姿を見て思わず拍手。出所したアレックス。かつて傷つけたホームレスや仲間から報復として暴行されるが、暴力を振るうことに苦痛を感じるため反撃できない。

④政治家
その治療法は元々「治安を改善するための政府の取り組み」の一環。アレックスが重傷を負ったことで、その効果について国民が政府を非難。それに憂慮する内務大臣(アンソニー・シャープ)がアレックスと面会し、政府の取り組みに協力するよう要請するが・・・。

4.感想
スタンリー・キューブリック監督作。映像と言葉遣いが個性的であることからカルト的な人気を誇る作品。やや近未来の世界が舞台。増加する凶悪犯罪をいかに抑止するか。政府は新しい治療法をアレックスに試す。その効果・結果は? ある犯罪者の更正を描いた映画。「犯罪の抑止、犯罪者の更正」がテーマ。ハッキリ言って、鑑賞していて気分が悪くなる映画(観ない方がいいかも)。許されない罪を犯した者をどう扱うか? 日本でも死刑やさまざまな刑罰がありますが、どれも「画期的」とは言い難く、「どんな罰・矯正方法がふさわしいか」はなかなか難しい。個性的な演出で有名な作品ですが、個人的には「治安を改善するにはどんな手段が効果的か?」に注目。アレックスを憎悪する被害者(作家。キレそうな表情に注目:パトリック・マギー)、更正委員の男、看守長、博士&西川ヘレンみたいな助手、ニコニコしてかわいい精神科医といったキャラにも注目の映画です。

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