「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

名作映画全集。ジャンルを問わず多くの作品を紹介。全記事無料です。

鉄板映画:『死霊のえじき』(1985年:ロリー・カーディル、ジョセフ・ピラトー)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」ジョージ・A・ロメロ監督のゾンビシリーズ第三弾。滅亡寸前の人類(「ゾンビ40万:人間1人」←推定)を描いたホラー映画です。

1.ストーリー
ゾンビが蔓延する世界、かろうじて生き残った人間が生存の道を求める。

2.キャスト
ロリー・カーディル(科学者)
テリー・アレクサンダー(ヘリコプターのパイロット)
ジャーラス・コンロイ(無線技師)
ジョセフ・ピラトー(大尉)

3.注目のシーン
①絶望
『ゾンビ』の続編で完結編。実に恐ろしい世界を描いたもの。人類は滅亡寸前。「ゾンビ40万に対し人間は1人」の割合だという。しかもそれはマトモじゃない博士の推定のよるもの。実際には基地に残った者たちしかいないかもしれない、という絶望的な状況。町にはゾンビだけではなく、ワニもいる。一体なぜそんな悲惨な状況になったのか? 『ゾンビ』で生き残ったピーターやフランはどうなったのか? そういったことが語られることもなく、ストーリーは進んでいく。

②メンバー
地下基地に閉じこもる人間たち(ゾンビの研究をする科学者&態度が悪い軍人)。外にはフェンスが張り巡らされていてゾンビが基地に近づくことをかろうじて阻止している。女性科学者のサラ(ロリー・カーディル)は希望を捨てずに頑張ろうとするが、恋人は精神が崩壊寸前。他のメンバーも虚勢を張ったりしているが、内心はゾンビが恐ろしくて仕方がない様子。

③戦い
科学者が研究するためにゾンビを捕獲しようとする軍人たち。失敗して命を落とすことも。そして「人間 vs. ゾンビ」だけではなく人間同士の争いも発生。最後は大量のゾンビが基地になだれ込む。わずかな武器・弾薬でどう戦うのか?

④珍シーン
イカレた博士が実験している「バフ」とかいうゾンビ。「人間の気持ちがわかるゾンビ」なんてのはちょっとやりすぎ。個人的にはそういうキャラは要らない(と思う)。ゾンビはやっぱり「恐ろしい存在」でないと。実際、ローズ大尉(ジョセフ・ピラトー)もバフを見て、「何だこりゃ!」ってな感じでキレそうになる(観客の気持ちを代弁)。他にも、「妙にはしゃぐ軍人」なんてのも(ゾンビに思いっ切りやられてしまうシーンが実に凄惨。「ホラー映画あるある」。まるでやられるために出てるようなキャラ。『13日の金曜日』シリーズでもおなじみのパターン)。

⑤エピソード
この映画の怖さを盛り上げるのが「恐怖のゾンビング・サウンド」というもの。ゾンビのうめき声とかそういったものをこう呼ぶのだそうだ。映画チラシによると、最も恐ろしい凄惨なシーンでは「恐怖のゾンビング・サウンド」で失神者が続出。「ゾンビが基地になだれ込んで壮絶な地獄絵図が展開されるシーン」は「実際に人を殺したのではないか」と騒ぎになって映画館にパトカーが出動した、とのこと。他にも撮影時の裏話がありますが、そういう話はDVDの特典映像に入っています。

4.感想
コレは最も恐ろしい映画です。映画作りは今のCGとは違って当時は「手作り」。ゾンビの造形とか人が襲われるシーンなどは実にリアル。そういうのが苦手な人は絶対にこの映画を観ないでください。「恐ろしい世界」が舞台。なぜほとんどの人間が消えたのでしょう?  水や空気が汚染されたからではないか、と私は考えています。そうなるとこの作品で生き残った人たちも残りわずかな命、ということになります。残酷なシーンが多い映画。本当はもっとスケールの大きいストーリーだったとか。しかしながら、完成した物で充分かと(結局、ゾンビによる壮絶なシーンが描きたい、ということだったと思われますので)。「人間 vs. ゾンビ」「人間 vs. 人間」「精神的に追い詰められていく人間たち」がテーマ。(冒頭の)壁からゾンビの手が出てくるシーン、サラが町で生存者を探すシーン、軍人らが研究用のゾンビを捕獲するシーン、ラストの絶望的なシーン。『ゾンビ』同様、サバイバル・アクション的な要素があるスリリングな傑作です。

--------------

Amazonショッピングサイトへのリンクです。
死霊のえじき <HDニューマスター・スペシャルエディション> メモリアル・コレクション[初回生産限定] Blu-ray
--------------

この続きはcodocで購入