「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:『わが谷は緑なりき』(1941年:ロディ・マクドウォール、モーリン・オハラ)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」イギリス・ウェールズ地方の炭坑町で暮らす一家を描いた映画。少年の視点から描かれた町・炭坑夫の厳しい生活の描写に注目です。

1.ストーリー
炭坑町で暮らす一家が失業・事故・町のウワサによって離ればなれに・・・。

2.キャスト
ロディ・マクドウォール(少年)
モーリン・オハラ(姉)
ドナルド・クリスプ(父)
サラ・オールグッド(母)
ウォルター・ピジョン(牧師)

3.注目のシーン
①主役
ウェールズ地方の炭坑町が舞台。仲の良い家族。ギルム(ドナルド・クリスプ)は信心深い炭坑夫。強気な妻、同じく炭坑夫の息子たち、美しい娘アンハード(モーリン・オハラ)。そして末っ子のヒュー(ロディ・マクドウォール)。大人になったヒューが少年時代を振り返る形で一家の思い出が語られる。        

②転換点
ギルムの息子イヴォールが結婚。一家にとってはおめでたい出来事。しかし、町に失業者が増えたことで炭坑夫の賃金が減額に。このままでは暮らしていけなくなると考えたギルムの息子たちは町を出ようとする。

③不幸の連鎖
待遇に不満を持つ炭坑夫たちが組合を作って会社に対抗しようとするがギルムはそれに反対。「裏切り者」扱いされてしまったギルム。さらに妻とヒューが事故でケガ。娘アンハードは牧師(ウォルター・ピジョン)に想いを寄せていたが、炭鉱主の息子と結婚。意地の悪い使用人の悪意に満ちたウワサによりアンハードは孤立してしまう。そして・・・。

4.感想
閉鎖的で保守的な町で暮らす一家を描いた名作。第14回アカデミー賞最優秀作品賞、監督賞、助演男優賞、撮影賞、美術賞、室内装置賞を受賞。明るいギルム一家。炭坑夫の仕事はキツいが、誠実な暮らし。しかし、「失業者の増加」という社会不安の波に一家は巻き込まれていく。炭坑のキツい仕事、アンハードの不幸な結婚、ケガが治って学校に行くことになったヒューは教師や同級生から悪質な嫌がらせ。明るい一家が様々なことで追い込まれていく。その結末は? 人生の悲哀を描いた内容。幸せになるはずの一家がエラい目に。まさに「禍福はあざなえる縄のごとし」といったところ。職に就いているからといって安泰とは限らない。結婚したからといって幸せになるとは限らない。学校に通って優秀な成績を上げたからといってエリートになるわけでもない。鑑賞していてつらくなってくる映画ではありますが、海外で頑張るギルムの息子たち、新たに生まれたギルムの孫、そしてヒューが「一家の希望」となることに期待。誠実で敬虔な人たち。悪意を持つ愚か者たち。ヒューにボクシングを教える男。こういったキャラによる人間模様に注目の「深い映画」です。

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