「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

名作映画全集。ジャンルを問わず多くの作品を紹介。全記事無料です。

鉄板映画:『自転車泥棒』(1948年:ランベルト・マジョラーニ、リアネーラ・カレル)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」戦後のイタリアでようやく職に就けた男が仕事に必要な自転車を盗まれてしまう映画。盗まれた自転車を息子と共に捜し回る姿、その結末が悲しい。

1.ストーリー
失業中の男が職を見つけたが、仕事で使う自転車を盗まれてしまい・・・。

2.キャスト
ランベルト・マジョラーニ(労働者)
エンツォ・スタヨーラ(息子)
リアネーラ・カレル(妻)
ジーノ・サルタマレンダ(友人)

3.注目のシーン
①主役
第二次大戦後のイタリア。失業中のアントニオ・リッチ(ランベルト・マジョラーニ)。ビラ貼りの仕事を得る。しかし、その仕事には自転車が必要。質に入れたままの自転車を出すため、ベッドシーツを質屋へ。ようやく仕事ができるようになり、妻マリア(リアネーラ・カレル)、息子ブルーノ(エンツォ・スタヨーラ)も笑顔に。

②ハプニング
ビラ貼りの仕事をするアントニオ。コソ泥に自転車を乗り逃げされてしまう。友人バイオッコ(ジーノ・サルタマレンダ)の助けを借り、アントニオはブルーノと一緒に町で自転車を捜す。

③追跡
町で偶然犯人を発見したアントニオ。見失ってしまったが、その男と接触した老人を問い詰め、町を捜索。ある通りに男を追い込んだが、そこにはガラの悪い連中がいっぱい(サングラス姿で威圧感を出してくる奴も)。警官が間に入ってアントニオから事情を聞くが・・・。

4.感想
無名の素人役者で制作された作品。失業者があふれる戦後のイタリアが舞台。ようやく仕事に就くことができたアントニオ。仕事中に自転車を盗まれる。盗品はすぐに売られ、取り戻すことはほぼ不可能。犯人の顔を覚えているアントニオは息子と一緒に町で自転車を捜す。その結末は?   鑑賞していてハラが立ってくる映画。卑劣な泥棒。証拠がないのをいいことに開き直る。アントニオは思わず「ぶん殴ってやる」と怒りを露わにするが、警官から「(そんなことしたら)監獄に行くのはお前だ」と警告されてしまう。「犯人の顔を見た」というのは証拠にならない。泣き寝入り。追い込まれたアントニオはしてはいけないことをやってしまう。イタリアというのは不思議な国。第二次大戦ではファシズム側。それがアッサリ降伏。いち早く戦争から抜けたのだから戦後の復興も早いはず、と思ったら町には多くの失業者。その一方でカネ持ちも(レストランのシーン)。自分の自転車を必死になって捜すアントニオだが見つからない。その一方で町には(他人のものだが)自転車なんぞはあふれかえるほどある。マジメに働こうとする失業者もいれば、インチキな占いでメシを食っている奴もいる。貧富の差、国の経済運営の失敗が背景にある深刻な内容の作品。息子ブルーノの涙が悲しい映画です。

YouTube

---------------

Amazonショッピングサイトへのリンクです。
自転車泥棒 日本語吹替版  [DVD]
---------------

この続きはcodocで購入