「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:『紳士協定』(1947年:グレゴリー・ペック、ドロシー・マクガイア)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」ユダヤ人差別について調査するため記者がユダヤ人になりすます映画。差別する側、される側を表現したセンシティブな作品です。

1.ストーリー
記者がユダヤ人差別を調査するためユダヤ人になりすまして人々と交流する。

2.キャスト
グレゴリー・ペック(記者)
ドロシー・マクガイア(編集長の姪)
ジョン・ガーフィールド(友人)
アン・リヴィア(母)
セレステ・ホルム(記者)

3.注目のシーン
①主役
記者のフィル・グリーン(グレゴリー・ペック)。母(アン・リヴィア)、息子トミーと共に仕事のためニューヨークへやってきた。編集長と打ち合わせ。取材内容は「ユダヤ人差別について」。ユダヤ人が日常生活でどのような差別を受けているかについて調査したいフィル。何と、周囲に自分がユダヤ人であると「いつわりの身分」を名乗ることによって人々が自分をどのように扱うかを観察しよう、などと考える(危険な手段。実はユダヤ人ではなかった、と人々(特にユダヤ人)が気付いたらどんな気持ちになるだろう?)。取材の協力者である編集長の姪レイシー(ドロシー・マクガイア)はそのアイデアに賛成するが、うまくいくかどうか?

②キャラ
フィルの友人であり、ユダヤ人のデイブ(ジョン・ガーフィールド)はそのアイデアに反対。これまで様々な差別を経験してきたデイブ。その本当のつらさはユダヤ人ではないフィルにはわからないはず、との考え。記者アン(セレステ・ホルム)はフィルに協力的。フィルの秘書を務めることになった女性はユダヤ人。彼女もまた差別を経験してきた。

③差別
レストラン、ホテルでのユダヤ人差別。フィルの息子トミーも巻き込まれて差別の対象に。

4.感想
非常にセンシティブなテーマの映画。「紳士協定」とは「共同戦線」のこと。この映画の場合は「ある地域の人間が協力して地域からユダヤ人を排斥しようとする取り決め」を意味しています。このブログは「楽しい映画」を紹介するのが基本。物議を醸すような作品、残酷なホラー、性的な映画はできれば避けたいところ。しかしながら、名優グレゴリー・ペックの作品とあらば無視できない。早い話が「差別はやめましょう」という内容の映画。ペックがまるで演説するかのような形で「差別反対」を語るシーンがこの映画の言いたいことの全てではないかと。差別する人間だけではなく、それを黙認する者も非難されるべきだ、というのが主人公フィルとその友人デイブの考え。そういう追及するような「波風立てるやり方」は逆に敵を増やすのでは? という気もしますが、どうでしょう? 個人的には人々には「違い」があり、それを認識して「社会」というものが構成されている以上、ある程度の「区別」が生じるのはやむを得ないのではないかと(実際、世界には多くの国があり、国境で区別されている。それ以外にも人間に内在する様々な違いにより、区別がある)。また、縄張りを作るのは生物の本能でもあります。「区別」は仕方ないが、「侮辱」「不公平」はよろしくない、というのが私の考え方です。

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