「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:『ザ・メッセージ』(1976年:アンソニー・クイン、イレーネ・パパス)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」「神の使者」マホメットの布教の旅を描いた歴史映画。主の声に従う者、それを信じない者。合戦、改宗、人間模様に注目です。

1.ストーリー
多くの神が乱立するメッカでマホメットが神の声を聞く。

2.キャスト
アンソニー・クインイスラム教徒)
マイケル・アンサラ(メッカの統治者)
イレーネ・パパス(妻)

3.注目のシーン
①主役
「神の声を聞く者」である預言者。この映画の主役は預言者マホメット。しかしながら、イスラム教では「偶像崇拝を禁じている」ということでマホメットの姿が映るシーンは無し。なんと主役が映らない珍しい映画となりました。キリストの死後、600年後のメッカ。普通の中年男に過ぎないマホメットが山にこもり「神の啓示を受けた」という。それを信じる人と信じない人が対立。当時メッカでは数多くの神がカアバ神殿に奉られており、メッカは信仰の町であると同時に交易を行う商取引の町でもあった。そのため神殿に奉られている神々を否定するマホメット一派を商人たちは敵視する。

②キャラ
メッカの統治者であるブソフィアン(マイケル・アンサラ)とその妻ヒンド(イレーネ・パパス)はマホメット一派を嫌悪。しかし、マホメットは養子のサイード、友人アブバクル、ハムザ(アンソニー・クイン)、元奴隷の黒人など、信者を増やしていく。

③争い
ある国で保護を受けるマホメット一派。しかしメッカから追放。三年間、砂漠で苦難の日々。マホメットはその期間、妻と叔父を失う。そして転機が。争いの連続で苦難に陥ったメディナで和平の仲介。しかし、メディナで勢力を拡大するマホメットを嫌う者たちが。略奪されたのをキッカケにマホメット一派は戦いを決意。最初は勝利したが報復され、ハムザがヤリの名人に狙われる。

4.感想
イスラム教を描いた映画。「人間は皆平等」というのが神の言葉。そういったことを布教するマホメットは黒人奴隷を使用する商人たちにとっては厄介な存在。メッカを離れることになったマホメット一派。苦難の日々。しかし、「神の言葉」は徐々に人々に受け入れられていく。最後まで「神の言葉」に抵抗した者たちの運命は? 非常にセンシティブな映画。イスラム教とはどういうものかが描かれています。平和を求めるのがイスラム教。マホメットは「神の言葉」を人々に伝える役目を果たす「普通の人間」にすぎない、というのがこの映画の内容。大事なのは「神の啓示を深く理解することである」というのが結論。戦いをする場合にも「神が定めたルール」によって行う必要がある、とのこと(戦闘員でない者を傷つけてはならない、など)。キリスト教は欧米的な雰囲気や影響力を感じられるのに対し、イスラム教は「人間は皆平等」という普遍性を説いています。それが多くの地域に広まっていった理由ではないかと。イスラム教を理解したい人にオススメの作品です。

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