「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

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鉄板映画:『殺しが静かにやって来る』(1968年:ジャン=ルイ・トランティニャン)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」賞金稼ぎに夫を殺された女が殺し屋を雇って復讐しようとする西部劇映画。主役(セリフ無し)、キャラ(特にクラウス・キンスキー)に注目です。

1.ストーリー
西部時代、賞金稼ぎに夫を殺された女が殺し屋を雇って復讐しようとするが、保安官がミスをしてしまい・・・。

2.キャスト
ジャン=ルイ・トランティニャン(殺し屋)
ヴォネッタ・マギー(未亡人)
クラウス・キンスキー(賞金稼ぎ)
ルイジ・ピスティリ(判事)
フランク・ヴォルフ(保安官)

3.注目のシーン
①主役
「サイレンス」と呼ばれる無口な殺し屋(ジャン=ルイ・トランティニャン)。何もしゃべらないのは子供の頃の出来事が原因。

②悪役
スノービルという町が舞台。そこを仕切っているのはポリカット判事(ルイジ・ピスティリ)。どういう経緯でこの男が町を仕切るようになったのかは不明だが、町の人間から仕事を奪ったりして恨まれている。町を追放されて野盗と化した者がポリカットを狙う。それを阻止するためポリカットは野盗メンバーの首に賞金を懸ける。それが目当てのロコ(クラウス・キンスキー)といった賞金稼ぎにとってスノービルは「魅力的な職場」となっている。

③キャラ
そんなスノービルの状況を憂慮する有力政治家。保安官(フランク・ヴォルフ)を派遣し、「殺しで町を管理するシステム」を止めさせようとする。ポリカットに身体を狙われている町の女ポーリーン(ヴォネッタ・マギー)。ポリカットの陰謀によって夫を殺されたポーリーンはサイレンスを雇って復讐しようとする。町の女レジーナ(マリーザ・メルリーニ)はポリカットを嫌う者の一人。法で町を監督しようとする保安官に好感を持つ。

④アクション
ロコ率いる賞金稼ぎグループとサイレンスの戦いが見せ場。凄腕のサイレンスだが、敵は大勢。しかも、負傷。ポーリーンに保護されて抵抗を試みる。

4.感想
不思議な映画。まず、舞台はどこの国なのか? 普通、「西部劇」と言えば舞台は「アメリカの砂漠がある町」。しかし、この映画は「雪が積もる町」。そこでなぜか大きな権限を持っているポリカット判事。人妻をモノにするためその亭主を罪人に仕立て上げるなど事実上の無法地帯。「サイレンス」には悲しい過去があり、今では「殺し屋」稼業。しかしながら、悪党ではなく、「必殺仕事人」のようなキャラ。ポリカットは小賢しいタイプの悪党で、サイレンスの敵ではありません(ポリカットとサイレンスの過去の因縁にも注目)。一番の悪党はロコ。独特の風貌のクラウス・キンスキー演じるロコはなかなか狡猾。捕まっても雪の中に隠しておいた武器で反撃、逃走。映画でよくあるタイプの「おバカな悪党」ではなく「ワルの才能がある奴」であります(「ゴルゴ13」ばりの用心深さ)。最後はスノービルの町に悲劇が。「サイレンス」「どんくさい保安官(銃が凍って肝心な時に使えない、馬を奪われる、など)」、悪役、女たちといったキャラで魅せる映画。ただし、残酷な描写には要注意です。

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