「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

名作映画全集。ジャンルを問わず多くの作品を紹介。全記事無料です。

鉄板映画:『コンボイ』(1978年:クリス・クリストファーソン、アーネスト・ボーグナイン)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」保安官とモメたトラック野郎たちが州境に向かって逃走するカー映画。トラッカーと保安官の意地の張り合いに注目です。

1.ストーリー
保安官とモメたトラック野郎たちが州境に向かって逃走。次第に車列が長くなっていき・・・。

2.キャスト
クリス・クリストファーソン(トラック野郎)
アリ・マッグロー(女)
バート・ヤング(トラック野郎)
アーネスト・ボーグナイン(保安官)

3.注目のシーン
①主役
トラックがひたすら走る映画。トラック野郎のダック(クリス・クリストファーソン)。仲間と走っているところをスピード違反で止められてしまう。止めたのはダックとは旧知の保安官ライル(アーネスト・ボーグナイン)。その場は何とか収まったが・・・。

②悪役
保安官ライルが悪役。本来はスピード違反しているダックの方が悪いのですが、ダックとライルには過去に因縁が(本編ではそれが語られることはなかった)。イヤミったらしくしつこくダックにつきまとうライル。狙いは賄賂。トラッカーたちから「罰金」と称してカネを巻き上げようとしている。

③キャラ
ダックのトラックに同乗する女メリッサ(アリ・マッグロー:『ゲッタウェイ』で共演したスティーブ・マックイーンと結婚。後、離婚)。ダックのトラック仲間「ラブ・マシーン」(バート・ヤング)、スパイダー(フランクリン・アジャイ)、ブラック・ウィドウ(マッジ・シンクレア)ら。

④政治
ダックの逃走劇を政治活動に利用しようとする州知事。ダックは単にライルとモメたのにウンザリしてトラックを自由に走らせているだけなのだが、上院議員になろうとしている知事はそれを「労働問題」として扱い、有権者のハートをつかもうとする。

4.感想
変わった映画を撮ることで有名なサム・ペキンパー監督の作品。因縁の保安官ライルを食堂でぶっ飛ばしてしまったダックらトラック野郎たち。州境を越えれば捕まらずに済む、などと考えたダックは仲間と共にトラックを走らせる。「面白いイベント」と勘違いした他のトラッカーたちがダックの後に続く(「移動教会」の神父も参加)。ひたすら走り続けるダック。しかし、重武装した警官隊がそれを止めようと待ち構える。どんな結末に? 大型トラックが数十台で走る迫力で魅せる映画。パトカーが道路からはじき出されたり、トラックが町・留置所を破壊したり。やけっぱちな「ダック」というキャラはいかにも「70年代」という感じがする男。走るトラック野郎たち。ダックを逮捕しようとするライル。マヌケな政治屋。カースタント(爆発シーン、トラックがコケる珍シーンも)、人間模様、ダックを始めとするキャラに注目の珍作。ストーリーに難があるという評判もある映画ですが、個人的には「保安官ライルの執念・意地・ドジ」が面白いと思いました。

クリス・クリストファーソン:アクション作『ブレイド』では主役(ウェズリー・スナイプス)をサポートする役を好演。
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鉄板映画:ブルース・ウィリス『REDリターンズ』(2013年)「主な出演者」と「注目ポイント」

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あらすじ)引退した元CIAエージェントが昔の任務が原因で命を狙われる。

1.フランク・モーゼスブルース・ウィリス
元CIAエージェント。いわゆる「RED」(引退した超危険人物(Retired Extremely Dangerous))。退職後は孤独な生活だったが、サラと出会って新たな暮らし。ところがまたしても命を狙われる。どうやら昔関わった「ナイトシェード計画」(かつてアメリカがソ連を壊滅させようとした秘密作戦)が原因のようだ。
(アクションスター。コミカルなテレビシリーズ『こちらブルームーン探偵社』、ハードアクション『ダイ・ハード』シリーズ、サスペンス『アンブレイカブル』(2000年)ほか)

2.サラ・ロスメアリー=ルイーズ・パーカー
フランクの妻。前回とは違ってフランクをサポート(かなりのキャラ変)。イラン大使館潜入作戦、カラカス作戦で活躍。カーチェイスでトチるシーンも見せ場。
(軍人の娘。『ゴースト・エージェント/R.I.P.D.』(2013年)ほか)

3.マーヴィン・ボッグスジョン・マルコヴィッチ
元CIAエージェントで「RED」。CIAに薬物で洗脳されたことがあり、神経過敏。フランクと行動を共にする。
(個性的な俳優。クリント・イーストウッドザ・シークレット・サービス』(1993年)では暗殺者、ローワン・アトキンソン『ジョニー・イングリッシュ』(2003年)では英国国王になる野望を持つ男を演じた。)

4.ヴィクトリアヘレン・ミレン
元MI6のエージェント(ジェームズ・ボンドと同じ)。古巣MI6からフランクの始末を命じられる。
(イギリスの女優。父はロシア帝国貴族出身。エリザベス2世を演じた『クィーン』ほか)

5.カーチャ・ペトロビッチキャサリン・ゼタ=ジョーンズ
ロシアのエージェント。フランクとは旧知。祖国を核攻撃から守ろうとする。
(イギリスの女優。『エントラップメント』(1999年)では大物ショーン・コネリーと組んで「泥棒」を演じた。アントニオ・バンデラス『マスク・オブ・ゾロ』(1998年)ほか)

6.ハン・チョバイイ・ビョンホン
韓国の殺し屋。諜報部員だったが、フランクのせいで失脚した過去。アメリカに雇われてフランクを狙うが、プライベートジェットを乗り逃げされてイライラ。折り紙で敵を暗殺するシーン、フランクを襲撃するシーン、カーチェイスが見せ場。
(人気俳優。原田泰造に似ている。『夏物語』(2006年)ほか)

7.ジャック・ホートン(ニール・マクドノー)
アメリカ軍。政府高官の命令で暗躍。フランクを始末するため、ハンを雇う。
(『マイノリティ・リポート』(2002年)、ケビン・コスナー『守護神』(2006年)ほか)

8.カエルデヴィッド・シューリス
スパイ。「カエルの毒」でロシアに打撃を与えたことがある。「ナイトシェード計画」に関与。レストランで銃を乱射するシーン、バイクで逃走してフランクに車で「ドカン」とぶつけられるシーンが見せ場。
(イギリスの俳優。『ハリー・ポッター』シリーズで有名)

9.イヴァン・シモノフブライアン・コックス
ロシア大使館勤務。今回は出番は少ないが、役割は重要。ヴィクトリアをサポート。
スコットランド出身。『だめんず・コップ』(2001年)ではマヌケすぎるハイウェイパトロール隊を率いる勇敢な隊長を演じた)

10.エドワード・ベイリーアンソニー・ホプキンス
大量破壊兵器の専門家で、ニックネームは「死神 ダ・ヴィンチ」。「ナイトシェード計画」の中心的人物。MI6に捕まって32年間も監禁生活。
(『羊たちの沈黙』(1991年)で演じた「ハンニバル・レクター」役が有名。しかし、そのせいでいつも「悪役」に見えてしまう)

注目ポイント
大型店「コストコ」での買い物(「主夫」っぽい感じになったフランク)、マーヴィンの爆死&葬儀、FBI取調室での戦い、ハンをおちょくるフランク(プライベートジェット乗り逃げ&監視カメラの映像)、カーチェイス、クスリを盛られるフランク、ハンの襲撃(凄まじい機関銃、カンフーアクション)、精神病院(厳重な警備)、イラン大使館での色仕掛け作戦、逃走する悪党&「赤い水星」、ほか。

(予告編:YouTubeより)

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鉄板映画:ブルース・ウィリス『RED/レッド』(2010年)「主な出演者」と「注目ポイント」

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あらすじ)引退した元CIAエージェントが自宅で突然襲われる。その理由を探るため、かつての仕事仲間を訪ねる。

1.フランク・モーゼスブルース・ウィリス
元CIAエージェント。いわゆる「RED」(引退した超危険人物(Retired Extremely Dangerous))。退職後は孤独な生活。唯一の楽しみは年金係オペレーターのサラと電話で会話すること。そんな状況で黒覆面の武装集団に自宅を襲撃される。その理由は?
(アクションスター。コミカルなテレビシリーズ『こちらブルームーン探偵社』、ハードアクション『ダイ・ハード』シリーズ、サスペンス『アンブレイカブル』(2000年)ほか)

2.サラ・ロスメアリー=ルイーズ・パーカー
年金係オペレーター。孤独なフランクと電話でコミュニケーション。ある夜、自室にフランクが突然現れ、パニック。
(軍人の娘。続編『REDリターンズ』にも登場。『ゴースト・エージェント/R.I.P.D.』(2013年)ほか)

3.マーヴィン・ボッグスジョン・マルコヴィッチ
元CIAエージェントで「RED」。CIAに薬物で洗脳されたことがあり、神経過敏(他人からは「ヘンな奴」に見えるほど)。ただ、勘が異常に鋭く、武器の腕前は一級品。
(個性的な俳優。クリント・イーストウッドザ・シークレット・サービス』(1993年)では暗殺者、ローワン・アトキンソン『ジョニー・イングリッシュ』(2003年)では英国国王になる野望を持つ男を演じた。)

4.ジョー・マシスモーガン・フリーマン
元CIAエージェントで「RED」。フランクと親しい。今ではガンで余命少なく、老人ホーム暮らし。謎の敵に襲撃されて困っているフランクに一肌脱ぐことに。
(黒人を代表する俳優。『ディープインパクト』(1998年)で大統領役を務めるなど「大物」を演じることが多く、ジム・キャリーブルース・オールマイティ』(2003年)では「神様」の役だった。ケビン・コスナーロビン・フッド』(1991年)ほか)

5.ヴィクトリアヘレン・ミレン
元MI6のエージェント(ジェームズ・ボンドと同じ)。今では「ワシの巣」と名付けられた屋敷で静かな暮らし。援護を求めて突然訪ねてきたフランクを見て、「殺しに来た」と早とちり(過去にいろいろあったらしい)。狙撃の名手で、機関銃をぶっ放すシーンが迫力。
(イギリスの女優。父はロシア帝国貴族出身。エリザベス2世を演じた『クィーン』ほか)

6.ウィリアム・クーパーカール・アーバン
CIA勤務。非情な殺し屋。単に「極秘指令」との指示を受け、理由もわからずフランクを消そうとする。泣き所は妻子。
ニュージーランド出身。『ロード・オブ・ザ・リング』ほか)

7.ヘンリーアーネスト・ボーグナイン
CIA資料係。現役時代のフランクをよく知る男。「昔はよかった」といった雰囲気でフランクと再会。
(大ベテラン。『地上より永遠に』(1953年)、『ポセイドン・アドベンチャー』(1972年)、『ニューヨーク1997』(1981年)ほか)

8.ロバート・スタントン(ジュリアン・マクマホン)
アメリカ副大統領。わざとらしい笑顔。過去にやった残虐行為を隠蔽しようとしている。
(オーストラリア出身。『ファンタスティック・フォー [超能力ユニット]』(2005年)ほか)

9.アレクサンダー・ダニングリチャード・ドレイファス
軍需産業の男。南米グアテマラで「ある秘密作戦」に関わった過去。
(ロシア系ユダヤ人。スティーヴン・スピルバーグジョーズ』(1975年)での海洋学者役で有名。その亜流作品『ピラニア3D』(2010年)では超チョイ役だった)

10.イヴァン・シモノフブライアン・コックス
ロシア大使館勤務。立場的にはフランクやヴィクトリアと敵対関係にあるが、全ては「懐かしい思い出」の様子。
スコットランド出身。『だめんず・コップ』(2001年)ではマヌケすぎるハイウェイパトロール隊を率いる勇敢な隊長を演じた)

注目ポイント
自宅で襲われるフランク(襲撃者をアッサリ撃退)、電話でしか話したことがないフランクが部屋にいるのに気付いてサラがビビるシーン、ジョーと女性介護士(テレビのアンテナがどうのこうの)、異常に用心深いマーヴィン、CIA本部に潜入(セキュリティ&コンタクトレンズ)、ヴィクトリアとイヴァンの因縁、チョイ役のジェームズ・レマーエディ・マーフィ『48時間』(1982年)の悪役)、空港での戦い(オバチャン暗殺者&ロケット砲)、ダニングの部屋(完全防音)、スタントンのパーティー&銃撃戦、ラストシーン(ケリを付けるフランク)、モルドバでの出来事。

(予告編:YouTubeより)

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鉄板映画:『SF/ボディ・スナッチャー』(1978年:ドナルド・サザーランド、レナード・ニモイ)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」宇宙生物に人間が体を乗っ取られてしまう映画。肉体と精神を奪われる恐怖。レナード・ニモイの独特の表情にも注目です。

1.ストーリー
宇宙からやってきた生物に体を乗っ取られてしまった人間が増殖していく・・・。

2.キャスト
ドナルド・サザーランド(衛生局役人)
ブルック・アダムス(衛生局役人)
ジェフ・ゴールドブラム風呂屋
ヴェロニカ・カートライト(風呂屋
レナード・ニモイ精神科医

3.注目のシーン
①主役
衛生局に勤める役人ベネル(ドナルド・サザーランド)。厳しい態度で不衛生なレストランを営業停止処分にしたりする日々。ある日、同僚のエリザベス(ブルック・アダムス)から相談を受ける。彼氏が人が変わったようになってしまったという。

②悪役
植物型宇宙生物。宇宙をさまよっていたが地球に到着。根を使って人間を襲い、結果的に体と精神を乗っ取る。宇宙生物に支配された「複製人間」は普通の人間のように社会にまぎれて暮らしている。

③キャラ
異変に気付いて「複製人間」に対抗するベネル、エリザベス、風呂屋を経営するジャック(ジェフ・ゴールドブラム)&ナンシー(ヴェロニカ・カートライト)の夫婦、ベネルの知人でもある精神科医キブナー(レナード・ニモイ)。

④演出
ゆっくりと人を襲う宇宙生物。それなのにいつの間にか大勢が体を乗っ取られ、「複製人間」化。荒っぽく襲うより、ゆっくりの方が気付かれにくいのかもしれない。どのような手段で人間が乗っ取られるのかは本編を観てのお楽しみ。

4.感想
なかなかの珍作。しかし、見方によっては深い内容。『ボディ・スナッチャー/恐怖の街』(1956年)のリメイク作。いつの間にか宇宙生物に人間が体と精神を乗っ取られてしまう話。映像的には地味な感じ。植物がゆっくりと人間に近づく姿はどこかコミカルな雰囲気も。この映画で人間の体と精神を乗っ取るのは宇宙生物ですが、もしコレが政府やメディアによる洗脳だったらどうだろう? 大衆が知らず知らずのうちに邪悪な者によって洗脳され、おかしな世の中になってしまう。これはどうやらそういうメッセージが込められた映画のようです(自分の体と精神は自分で守れ、という)。キャストが豪華。悪役を演じることが多い(ような気がする)ドナルド・サザーランドが正義のために戦う役どころ。『スタートレック』『スパイ大作戦』でおなじみのレナード・ニモイはあの独特の表情で主役をサポート。ケヴィン・マッカーシードン・シーゲルロバート・デュヴァルがチョイ役出演。古い感じがする映画ですが、ベネルが植物工場を攻撃するちょっとしたアクションシーンもあります。植物型宇宙生物と人間の対決の行方に注目の珍作(または名作)です。

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鉄板映画:『ブラック・サンデー』(1977年:ロバート・ショウ、ブルース・ダーン)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」イスラエルを支援するアメリカを憎むテロリストがフットボールのスタジアムを狙うパニック映画。イスラエル大佐の捜査活動に注目です。

1.ストーリー
パレスチナのテロ組織がアメリカ・ロサンゼルスのフットボールイベントでテロを行おうとする。

2.キャスト
ロバート・ショウイスラエルの大佐)
ブルース・ダーン(復員兵)
マルト・ケラー(テロリスト)
フリッツ・ウィーヴァー(FBI捜査官)
マイケル・V・ガッツォ(貿易商)
ウォルター・ゴテル(大佐)

3.注目のシーン
①主役
イスラエルの大佐カバコフ(ロバート・ショウ)。30年に渡りイスラエルの敵を抹殺してきた男。テロリスト殲滅作戦である女を始末できず、後悔する。

②悪役
パレスチナのテロリストグループ「黒い九月」(この映画はフィクション。しかしながら、この「黒い九月」は実在のグループ。具体的な組織名を出すのは問題のような気もする)。その女メンバーのダリア(マルト・ケラー)は家族をイスラエルに殺された過去がある。その復讐として、ベトナム戦争の復員兵マイケル(ブルース・ダーン)と共にフットボールの大きなイベントが行われるスタジアムでテロを行おうとする。

③キャラ
カバコフがアメリカに潜入した「黒い九月」を追う映画。テロリストと関わりがある貿易商ムツァイ(マイケル・V・ガッツォ)を脅し、(「黒い九月」に詳しい)どこかの国の大佐リアット(ウォルター・ゴテル)にワナを仕掛けて情報収集。ダリアと共犯者を追う。

④アクション
イスラエルアメリカFBIが共同作戦で「黒い九月」を追うシーンが迫力。カバコフとFBI捜査官サム(フリッツ・ウィーヴァー)が「黒い九月」のリーダーを町で追うシーン、飛行船でテロを行おうとするダリア&マイケルをヘリで追跡するシーンに注目。

4.感想
実在のグループ「黒い九月」が登場するためノンフィクション映画かと思いましたが、どうやらフィクションらしい。また日本では上映中止を求める脅迫状が届いたため劇場公開されなかったという(あまり触れない方がいいような気もする映画ですが、フィクションなので他の映画と同じようにレビューしてもよいのではないかと)。パレスチナのテロリストに容赦しないイスラエル。その断固たる態度が新たなテロを生む、という映画。リアルな描写で観客を引き込む内容になっています。過去があるダリア。イスラエルだけではなく、イスラエルを支援するアメリカも憎んでフットボールイベントを狙う。同じようにアメリカを憎むベトナム復員兵マイケル。国のために戦ったのにボロボロになっただけ、というのが祖国に対する恨みの理由(戦争は国に対する不信感を生み、愛国心を失わせる行為であるようです)。そんなダリア&マイケルを追跡するカバコフ。どんな結末になるか? シリアスな映画ですが、アクション映画のような迫力の場面もありますし、またちょっとしたツッコミどころもあります(テロリストを生け捕りにしたいカバコフ。しかしカバコフの命令によって警官隊に大きな犠牲が。他にも、爆発シーンが安いCGみたいで映像的にショボい感じ、など)。全編に渡る緊迫感、登場人物たちのそれぞれの価値観、映画的なアクションシーン(「ジョーズ」と戦った時以上に頑張るロバート・ショウ)、スタジアムでのパニックに注目の映画。古い映画ですが内容的には古さを感じさせない作品です。

ウォルター・ゴテル:『007』シリーズでのKGBゴゴール将軍役で有名。
マイケル・V・ガッツォ:ギャング役でおなじみ。『ゴッドファーザー PART II』『チャールズ・ブロンソン/愛と銃弾』。いずれも悲惨な目に遭う役どころだった。
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鉄板映画:『バニシングIN TURBO』(1977年:ロン・ハワード、ナンシー・モーガン)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」駆け落ちカップルを両親や報奨金目当ての連中が追いかけ回すコメディ映画。どんくさい人たちが車をぶつけまくる。キャラとギャグに注目です。

1.ストーリー
両親に結婚を反対された女が恋人と一緒にラスベガスへ駆け落ちする。

2.キャスト
ロン・ハワード(彼氏)
ナンシー・モーガン(女)
バリー・ケイヒル(父)
ポール・リンク(ドジ男)
マリオン・ロス(ドジ男の母)
ドン・スティール(ラジオDJ

3.注目のシーン
①主役
カップルが駆け落ちする映画。カネ持ちの娘ポーラ(ナンシー・モーガン)。婚約者がいるが、その男は両親が勝手に決めた相手。ポーラは普通の男サム(ロン・ハワード)と結婚したいと思っている。

②悪役
ぬるいコメディ映画。強いて言えばポーラの結婚に反対する彼女の父ビグビー・パワーズ(バリー・ケイヒル)が悪役。州知事に立候補する予定のビグビー。娘には有力者の息子と結婚してもらって地位を固めたいところ。ところが娘がよく知らない男との結婚を突然宣言して怒りに燃える。自慢のロールスロイスを勝手に持ち出して逃走する娘と男を私立探偵(ギャング?)と一緒に追跡する。

③キャラ
ポーラ&サムが追跡される映画。ビグビー、ポーラの婚約者コリンズ(ポール・リンク)、報奨金目当ての連中(マヌケな牧師、ダイナマイト親子)、ドジな警官らが二人を追跡。ラジオDJ「カーリーQ」(ドン・スティール)が白熱する追跡劇をヘリから実況中継。

④アクション
カースタントが見せ場。どんくさいコリンズらが次々にドジりながら、その度に人の車を勝手に使ってポーラ&サムを追う。ドカンドカンと車がぶつかるシーン、ジャンプするシーン、爆発シーンが迫力。追跡とは何の関係もない人たちが巻き込まれるシーンも楽しい(かもしれない)。

4.感想
ヘンな映画。チャップリンにも駆け落ちの映画がありましたが、これはそれをスケールアップした内容。70年代映画の特徴であるカースタントで勝負する内容。親に結婚を反対された女が男と一緒に逃げる。ただそれだけの映画。途中、カップル同士のケンカもあったりするなど、実にベタな内容。どうなんでしょうね。面白いのかな、この映画? 「B級感」丸出しの映画。社会的地位のある女がその場の感情で親から逃げて強引に結婚しようとする。勢いで結婚して上手くいきますかね? 結局のところ、頭をカラにして観る映画。カークラッシュ(「車ぶっ壊しレース」なんてのも)、キャラクター(特に、どんくさい人たち)、かわいいナンシー・モーガンに注目の珍作です。

ロン・ハワード:役者&監督。『スプラッシュ』『コクーン』『バックドラフト』などを監督。『スプラッシュ』はトム・ハンクスダリル・ハンナの逃避行を描いた映画。『バニシングIN TURBO』と似たシーンが終盤に見られます。
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鉄板映画:『合衆国最後の日』(1977年:バート・ランカスター、チャールズ・ダーニング)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」ベトナム帰りの脱獄囚が核ミサイル基地を占拠して、合衆国大統領にある要求をする社会派映画。戦争と政治、事件の緊迫感に注目です。

1.ストーリー
ベトナム帰りの脱獄囚と二人の仲間が核ミサイル基地を占拠する。

2.キャスト
バート・ランカスター(脱獄囚)
ポール・ウィンフィールド(脱獄囚)
バート・ヤング(脱獄囚)
リチャード・ウィドマーク(将軍)
チャールズ・ダーニング(大統領)

3.注目のシーン
①主役
1981年、かつては優秀な軍人だったローレンス・デル(バート・ランカスター)。上官と意見が対立したためでっち上げの罪を着せられ服役していたが脱獄。囚人のパウエル(ポール・ウィンフィールド)、ガルバス(バート・ヤング)を率いて核ミサイル基地を占拠する。

②キャラ
事態の対処に当たるマッケンジー将軍(リチャード・ウィドマーク)はデルのかつての上官。デルとは過去に様々な因縁があった。アメリカ合衆国大統領チャールズ・ダーニング)、国防長官、CIA長官らが会議で対策を議論するシーンもこの映画の見せ場の一つ。大統領を車に乗せて基地へ案内する軍曹。太っていて大統領に似ているのがちょっとした笑いどころ。

③演出・アクション
ベトナム戦争に関する社会的なメッセージが込められた映画。大統領を中心とする会議での緊迫した模様、デルたちが基地を占拠する一連のシーン、意見対立、事件の結末が見せ場。

4.感想
146分もある長い映画。タイトルが『合衆国最後の日』とある。「最後」というのはどういう意味か? というのもまたこの映画の注目ポイント(かもしれない)。アクションシーンもありますが、戦闘を見せたい映画ではなく、「戦争・国防・冷戦・核兵器」がテーマのメッセージ的な映画。ツッコミどころもありますが、重いテーマが込められていますのでそちらの方に注目して「国が抱える様々な問題」について考えながら鑑賞するのがオススメ。デルの大統領に対する要求とは? 国に裏切られた者は何を信じればいいのか? ミサイル発射やシリアスな会議のシーンなど、「緊迫感」あふれる146分です。

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チャールズ・ダーニングレスリー・ニールセン『スパイ・ハード』ではシークレットサービスのマヌケすぎる局長を演じた(ギャグがスベっていたような気も)。
ポール・ウィンフィールド:『ターミネーター』では警察署を襲うターミネーターを撃退しようとする「エド・トラクスラー警部」を演じた。
バート・ヤング:『ロッキー』シリーズでの「ポーリー」でおなじみ。
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