「鉄板映画:人気スター映画のブログ」

名作映画全集。ジャンルを問わず多くの作品を紹介。全記事無料です。

鉄板映画:『アニー・ホール』(1977年:ウディ・アレン、ダイアン・キートン)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」皮肉屋のコメディアンと売れない歌手が恋愛するトーク系映画。理屈っぽい男がカメラ目線でしゃべったり、ツッコミを入れたりする内容です。

1.ストーリー
友人の紹介でコメディアンと歌手が出会い・・・。

2.キャスト
ウディ・アレン(コメディアン)
ダイアン・キートン(歌手)
クリストファー・ウォーケン(歌手の弟)
トニー・ロバーツ(友人)
ポール・サイモン(プロデューサー)

3.注目のシーン
①主役
コメディアンのアルビー・シンガー(ウディ・アレン)。子供の頃、ローラーコースターの下にある(うるさくて揺れる)家で育ち、両親はケンカばかり。そんな環境で育ったからなのかどうかはわからないが、大人になってスッカリ理屈っぽい皮肉屋に。二度結婚したが、失敗。物事をネガティブに捉えるクセのせいで対人関係に苦労している。

②恋人
友人ロブ(トニー・ロバーツ)の紹介でアルビーは売れない歌手アニー・ホールダイアン・キートン)と出会う。テニスで意気投合した彼らは互いに相手を理解するようになっていくが・・・。

③キャラ
音楽プロデューサーの役でポール・サイモン、アルビーの彼女役でシェリー・デュヴァル、アニーの暗い弟の役でクリストファー・ウォーケン。パーティー客の役でジェフ・ゴールドブラムが超チョイ役出演。

④演出
笑いを見せるのが上手い映画。アルビーが自分の過去を振り返ったり、周囲の人(子供時代の教師&同級生、しょーもない脚本家、アニーの家族、自分の家族、ほか)にツッコミを入れたりするシーンではカメラ目線で皮肉っぽいことを言ったり、人をいじったり。

4.感想
ネガティブ男の不器用な恋愛を描いた映画。男は皮肉屋。女は精神的に不安定。上手くいかないのは最初から共にわかっていたのでは? という気がする(気のせい?)。孤独感から恋愛や結婚をしたりするのでしょうが、無責任な対応を相手にしてしまうのであれば、そういうことは最初からしないようにすべきではないか。同棲までしておきながら大した理由も無く別れるのはいかがなものか、という感想を持ちました(個人的に)。ストーリーはそこそこですが、皮肉屋のトーク、カメラ目線で語ったりする個性的な演出が面白い映画。オススメのシーンは、少年時代のアルビー、テニスでアルビーとアニーが知り合うシーン、アルビーが町でTVファンに声を掛けられるシーン、アルビーがアニーの家族と食事するシーン、クリストファー・ウォーケン演じる暗いキャラ、倦怠期、ロブの番組製作(「笑い声」を盛るシーンに注目)、プロデューサー主催のパーティー、アルビーの事故&警官、ほか。ニューヨークやカリフォルニアの町並みにも注目の名作です。

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鉄板映画:『カサノバ』(1976年:ドナルド・サザーランド)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」1700年代に生きた実在の人物ジャコモ・カサノバを描いた映画。気取った雰囲気で破廉恥なカサノバという男に注目です。

1.ストーリー
1700年代、ヨーロッパ各地で自由奔放に生きたカサノバの半生。

2.キャスト
ドナルド・サザーランドカサノバ

3.注目のシーン
①主役
ジャコモ・カサノバ(1725年4月2日~1798年6月4日)。聖職、官職、外交使節など様々な職に就いた男。貴族階級と交流し自由奔放な恋愛を楽しむが、そのせいでヨーロッパ各地で追放処分。そんな風変わりな男の「自由な交際」を描いた映画。

②キャラ
多くの貴族や女たちが登場。大勢の女性と関係を持ったカサノバであるが、カサノバだけがそうだったのではなく、多くの貴族がバカげた遊びにうつつを抜かしていた時代でもあった。伯爵、侯爵夫人、フランス大使、毒舌母娘、サーカスの女、カサノバの母、カサノバの弟の妻など、どいつもこいつも妙な奴ばかり。

③セット
1700年代ヨーロッパを再現したセットや衣装にも注目。妙に飾りが多い服、メイク&髪型(アップで見ると思わず笑ってしまう)、(意味不明な)黄金の鳥、馬車、牢屋、汚いトイレ(最悪)など。「海のシーン」ではまるで映画ではなく舞台のように「波」が布(?)で表現されているのも個性的。

4.感想
あのドナルド・サザーランドキーファー・サザーランドのオヤジ)が1700年代のヘンな奴を演じた異色作(シルヴェスター・スタローン『ロックアップ』(1989年)の時とは全然違うキャラ。恥ずかしい変顔にも注目)。カサノバの交流を描いた映画。ヨーロッパ各地で様々な人と関係(時には人形も)。人前で破廉恥なことをするカサノバ。それを見物して貴族たちが拍手喝采。どうやら1700年代のヨーロッパは実に乱れた世界だったようです。「自由に生きる人間」にありがちなことですが、晩年は若い者にバカにされたりするなど、寂しい人生(「自由」は楽しいものではありますが、その代償もあります)。1700年代ヨーロッパ(風景、衣装、ヘンな貴族たち)、カサノバというキャラ&その自由な行為に興味がある方にオススメの映画。ただし、家族そろってみんなで楽しむ映画ではありませんので、小さい子に見せたりしないよう注意されたい。DVDにはテレビ朝日系「ウィークエンドシアター」で放送されたときの日本語吹替音声も収録されています。

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鉄板映画:『真夜中の刑事 POLICE PYTHON 357』(1976年:イヴ・モンタン、フランソワ・ペリエ)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」恋人を殺された警部が自分に容疑がかかるのを回避しようとするサスペンス映画。部下に罪を着せようとする署長。人間関係に注目です。

1.ストーリー
単独捜査を好む孤独な刑事に若い恋人ができたが・・・。

2.キャスト
イヴ・モンタン(警部)
ステファニア・サンドレッリ(謎の女)
フランソワ・ペリエ(署長)
シモーヌ・シニョレ(署長の妻)
マチュー・カリエール(刑事)

3.注目のシーン
①主役
フランス・オルレアン警察の警部フェロー(イヴ・モンタン)。養護施設で育ったため、どこか孤独なところがある男。ある日、単独捜査で教会荒らしを逮捕。その時の模様を写真に撮る謎の女シルヴィア(ステファニア・サンドレッリ)。そのことがキッカケで二人は親しくなっていく。

②悪役
実はシルヴィアはワケありの女。犯罪歴、離婚歴があり、しかもフェローの上司にあたるガネ署長(フランソワ・ペリエ)の愛人。フェローを愛するシルヴィアはガネとの関係を終わらせようとするが、ガネは怒りにまかせてシルヴィアを鈍器で撲殺。自首しようとするガネだが、ガネの妻テレーズ(シモーヌ・シニョレ)が入れ知恵し、シルヴィア殺害の罪をフェローに着せようとする。

③キャラ
シルヴィア殺害事件を捜査するフェローと部下のメナール刑事(マチュー・カリエール)ら。メナールは怪しい単独行動を取るフェローに不満の様子。

④努力
とってもシリアスなストーリー。なのにどこかコメディっぽいところが。交際していた女性が殺されて「自分が犯人だと思われてしまう」とアセるフェロー。証人(シルヴィアと自分が一緒にいるところを目撃した人物)に会うのを避けたり、シルヴィアと自分の関係が明るみになるような証拠を捜すためにシルヴィアの部屋を徹底的に調べたり、証人を殴り倒したり、顔を薬品で焼いて面通しできないようにしたり。フェローがそういった涙ぐましい努力をするシーンは何となくコントのようにも見えてくる。

4.感想
孤独な警部フェロー。若く明るいシルヴィアと出会って浮かれ気分。しかし、シルヴィアが殺され、自分が疑われることを恐れて証拠を隠滅しようとする。その結末は? 一風変わった刑事モノ映画。どこか変わった雰囲気があるのがヨーロッパ映画の特徴。そのため「ツッコミどころ」も。孤独だった男にようやく訪れた明るい愛が消えてしまったうえに上司に罪を着せられるというシリアスなストーリーであるにもかかわらず、証拠を隠滅しようとする数々のシーンのせいで滑稽な映画に。また、自分が犯人であるにもかかわらず、スッとぼける署長の表情も何となく妙な感じで鑑賞していて思わず笑ってしまう(登場キャラがアセったり、平静を装ったりするときの表情もこの映画の見せ場)。しかしながら、映画的な見せ場も。フェローが酔っぱらうシーン(ブタを乗せたトラックにイタズラしたり、町を楽しそうに歩いたり)、署長とフェローの対決、ラストのスーパー強盗事件(迫力のシーン)など。ストーリー展開に注目の映画。このブログはネタバレしないのがルールのため、説明できるのはここまで。「自分がフェローだったらどう行動するか?」と考えながら鑑賞するのがオススメの作品です。
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鉄板映画:『マンディンゴ』(1975年:ペリー・キング、ケン・ノートン、ジェームズ・メイソン)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」白人と黒人奴隷の関係を描いた歴史物映画。黒人を売買する白人、屈強な黒人奴隷。人を「モノ」のように扱う時代を描いた問題作です。

1.ストーリー
黒人を売買する白人が屈強な格闘用黒人奴隷を購入し・・・。

2.キャスト
ペリー・キング(白人)
スーザン・ジョージ(妻)
ケン・ノートン(黒人奴隷)
ジェームズ・メイソン(白人)

3.注目のシーン
①主役
南北戦争1861年~1865年)が起こる約20年前が舞台の映画。大きな屋敷に住む白人のマクスウェル父子。黒人奴隷を所有し、奴隷の子が産まれたら売って儲ける。主人のウォーレン(ジェームズ・メイソン)はなかなか残酷な男で、黒人を「モノ」のように扱う。息子のハモンド(ペリー・キング)は足が不自由なこともあって少し控えめな性格。

マンディンゴ
あまり馴染みのない言葉。どうやら「優秀な遺伝子を持つ黒人奴隷」を意味するらしい。「血統書付きの黒人」は特に値段が高い。ハモンドはドイツ人女性と競り合って「マンディンゴ」のミード(ケン・ノートン)を4500ドルで購入。「格闘用」として育成する。

③悲劇
「黒人の権利」を唱える北部に影響され、黒人の反乱も発生。しかし、反抗した黒人は容赦なく始末されてしまう。黒人を売買するだけでなく、黒人女性と関係を持つハモンド。そのことでウォーレン、白人の妻ブランチ(スーザン・ジョージ)、ミードに悲劇が。

4.感想
『処刑教室』でおなじみのペリー・キング、モハメド・アリとの試合で有名なケン・ノートンが出演したかなりの問題作。奴隷制は今なお続く人種問題の原点。どこまでが本当にあった出来事なのか(個人的に)知らないため、この映画の内容が「真実かどうか」ではなく内容を紹介。奴隷商人と組んで儲けるマクスウェル父子。ハモンドは理性的なところと激しいところがある男。この男の一貫しない態度のせいで様々な悲劇が(妻に不満があるためハモンドは黒人奴隷の女性の方を大事にする。ミードに対しては、友人のように接したり、怒りをぶつけたり)。結局、黒人がどうのとか、奴隷制がどうの、とかいうよりも、ハモンドという男に問題があった、という気がする映画。困惑するようなシーンが連発されるショッキングな作品(黒人奴隷を家畜のように扱うウォーレン、読み書きする黒人奴隷を制裁するマクスウェル父子、サディスティックなチャーリー(ハモンドのいとこ)、ブランチが隠している「秘密」、黒人同士の乱闘に興奮する白人たち、奴隷の逃亡・処刑、マンディンゴ同士の決闘、毒と熱湯、ほか)。マンディンゴ同士の試合は素手で行われ、「何でもアリ」のまさに「決闘」という感じがする悲惨なもの(これが近代ボクシングの原点か?)。悲惨なシーンが多く、あまりオススメできない映画ですが、「人権」を考えるキッカケになるのでないかと思われます。登場キャラの生き方・思考に注目の作品です。

ジェームズ・メイソン:出演作多数。カーク・ダグラス海底二万哩』(1954年)ではネモ船長、『地底探検』(1959年)では地下を探険する学者、『夜の訪問者』(1970年)ではチャールズ・ブロンソンを脅迫する脱獄犯を演じた。
ジャンゴ 繋がれざる者(2012年):ジェイミー・フォックス演じる黒人奴隷が逃亡し、生き別れになった妻を捜す映画。黒人奴隷の売人をレオナルド・ディカプリオが怪演。

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鉄板映画:『カッコーの巣の上で』(1975年:ジャック・ニコルソン、ルイーズ・フレッチャー)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」精神障害の疑いのある男が病院で様々なトラブルを起こす社会派映画。個性派俳優たちが患者を演じたアカデミー受賞作品です。

1.ストーリー
ある精神病院に粗暴な男が入院する。

2.キャスト
ジャック・ニコルソン(患者)
クリストファー・ロイド(患者)
ダニー・デヴィート(患者)
スキャットマン・クローザース(夜警) 
ルイーズ・フレッチャー(看護婦長)

3.注目のシーン
①主役
舞台は1963年。事件を起こして刑務所にいたマクマーフィー(ジャック・ニコルソン)がある精神病院に送られる。院長やスタッフは彼の精神に障害があるかどうかを調べようとする。

②病院
患者を監視する院長、看護婦長ラチェッド(ルイーズ・フレッチャー)、黒人のスタッフ、看護士、夜警(スキャットマン・クローザース)ら。ラチェッドは冷徹な女で、マクマーフィーの提案・要求をことごとく却下。それが後に大きな問題を引き起こす。

③患者
個性的な患者たち(大柄なネイティブアメリカン、気が弱い若者ビリー、中年のオジサンら)。普段は大人しいが、感情が高ぶると制御不能になる者も。マクマーフィーが新たに入院してきたことで他の患者の精神に大きな影響が。

④ショック
ネタバレしてはいけないのがこのブログのルール。しかし、触れざるを得ないのが「ロボトミー」というもの。精神障害を治療する脳の外科手術のことだが、この手術を受けるといわゆる「廃人」のような姿になってしまう。非人道的であるため、現在では行われていないらしい。映画の中で動きが緩慢な患者が大勢登場するが、彼らはその犠牲者なのかもしれない。

4.感想
カッコーの巣の上で』というタイトル。鳥類学者がカッコーの研究をする映画、ではなくて、精神病院で起こった出来事を描いた映画。第48回アカデミー賞で「作品賞、監督賞、主演男優賞、主演女優賞、脚色賞」を獲得。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の「ドク」でおなじみの怪優クリストファー・ロイドの映画デビュー作でもあるとか。楽しい映画ではありません(正直なところ、どういうところがそんなに高く評価されたのだろう? という気も)。この映画は何を表現したかったのか? 「マクマーフィー」という個性的な男の行動を見せたかったのか、「病院の冷酷さ」を描きたかったのか?  個性的ではあるが、筋の通ったことを言うマクマーフィーは決して「病人」ではない。むしろ冷酷に患者を管理して危険な扱いをする病院の方がマトモではない、という気がしました。難しいことはよくわかりません。この映画の評価は鑑賞した方におまかせしたいと思います。見所は、他の患者を冷やかすマクマーフィー、患者間の討論会、バスケットやカードで遊ぶシーン、投薬を拒否、勝手に外出してボート遊び&釣り、ワールドシリーズをめぐる多数決、乱闘、パーティと翌朝の悲劇、ラチェッドを襲うマクマーフィーとその後、ほか。オチが悲しい映画。似たようなシーンがある『時計じかけのオレンジ』、ロバート・デ・ニーロレナードの朝』、クリント・イーストウッドミリオンダラー・ベイビー』もオススメです。 

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鉄板映画:『チャイナタウン』(1974年:ジャック・ニコルソン、フェイ・ダナウェイ)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」水源電力局の施設部長が水死した謎を私立探偵が追うサスペンス映画。謎の死、巧妙な仕掛け、怪しい連中。ストーリーとキャラに注目です。

1.ストーリー
水源電力局の役人の妻に依頼されて私立探偵が浮気調査をするが・・・。

2.キャスト
ジャック・ニコルソン(私立探偵)
フェイ・ダナウェイ(役人の妻)
バート・ヤング(漁師)
ジェームズ・ホン(執事)
ジョン・ヒューストン(富豪)

3.注目のシーン
①主役
ギテス(ジャック・ニコルソン)。かつてはチャイナタウンで勤務する警官だったが、今では浮気調査などをしている私立探偵。水源電力局の施設部長ホリス・モウレーの妻「イヴリン・モウレー」と名乗る女性からの依頼で浮気調査をするが・・・。

②悪役
ロサンゼルスにダムを作る計画があり、それに反対する意見を述べたホリス・モウレーが謎の水死。事故なのか、事件なのか? ホリスの浮気を調査してきたギテスだがその死に疑問を感じ、調査を続ける。

③キャラ
ホリス・モウレーの妻イヴリン・モウレー(フェイ・ダナウェイ)は富豪ノア・クロス(ジョン・ヒューストン)の娘でもある。ニセモノのイヴリンのせいで夫の名誉を汚されたと考える彼女はギテスに「水死の真相」を探るよう求める。他に、ギテスの事務所スタッフ(ウォルシュ、ダフィ、ソフィ)、ギテスのかつての同僚で今では警部補に昇進したルウ、元保安官で今では水源電力局で警備をやっているマルビヒルとナイフ男、モウレー家の執事カーン(ジェームズ・ホン)、妻に浮気されてしまう気の毒な漁師カーリー(バート・ヤング)、登記所の気取った無愛想男(態度悪い奴)、オレンジ畑の所有者、老人ホームの管理人、など。

④サスペンス
「水死の真相」がテーマの映画。次々に明らかになる真相。謎の人物、怪しい人物、怪しそうだけどそうではなかった人物、全てをぶっちゃける黒幕。そして悲しい最後。ストーリー展開に引き込まれる映画。ネタバレをしないのがこのブログのルールであるため、簡単な説明しかできません。

4.感想
『チャイナタウン』というタイトルの映画。ロサンゼルスのチャイナタウンを舞台に5人の中国人カンフー使いが「最強」を目指して戦う映画、ではなくて、私立探偵が「水死の謎」を追うサスペンス映画。影響力を持つ役人が死亡。事故、それとも事件? いろんなキャラが登場します。誰が黒幕なのか、そのことに関わっているのか、が重要ですので登場人物をメモしながら鑑賞するのがオススメ。黒幕が描いた絵に上手いこと乗せられて利用されてしまったギテスが自身の名誉や意地のため、時には危険な連中と渡り合いながら「ホリス・モウレーが死んだ謎」を追う。ちょっとしたアクションシーンもありますが(ギテスがマルビヒルをしばくシーンなど)、人間関係に注目の映画。「人間の(底抜けの)欲望」がテーマの悲しい作品です。

ジョン・ヒューストン:映画監督・脚本家・俳優。『アフリカの女王』を監督したときの話をモデルにして製作されたのがクリント・イーストウッド『ホワイトハンター ブラックハート』。
ブルース・グローヴァー:ギテスの仕事仲間「ダフィ」役。『007 ダイヤモンドは永遠に』ではボンドを襲う奇妙な殺し屋を演じた。

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鉄板映画:『ホーリー・マウンテン』(1973年:アレハンドロ・ホドロフスキー)

「鉄板映画:人気スター映画のブログ」師と9人の弟子が「聖なる山」に登って不死を手に入れようとするカルト映画。意味不明な抽象的なシーン、個性的な演出に注目の作品です。

1.ストーリー
不死を手に入れようと師と9人の弟子が「聖なる山」に登る。

2.キャスト
アレハンドロ・ホドロフスキー錬金術師)

3.注目のシーン
①主役
錬金術師(アレハンドロ・ホドロフスキー)。彼に導かれて9人の弟子が「聖なる山」に登り、不死身になろうとする。

②キャラ
9人の弟子。皆それぞれ個性的で、タロットカードに登場するキャラを象徴している。キリストに似ている「盗賊(または「愚者」)」と呼ばれる男、黒人の女、ナチの男、など。

③苦労
抽象的な作品を撮ることで有名なホドロフスキー監督。ワケのわからないシーン、残酷な演出。そのためこの映画の撮影には多くの苦情が寄せられ、脅迫されたことも。さらに、製作費を持ち逃げされて撮影が中断したり、ヘリを使うシーンを無許可でゲリラ撮影したり、ガケに登るシーンでは本当に登って落下したり。

4.感想
なかなか難しい映画。タロットカードをベースにした内容で、意味不明なシーンが連発される抽象画のような映画。しかし、心配ご無用。DVDには「ホドロフスキー監督によるオーディオコメンタリー」なんてのが収録されていますので、あのシーンはこういう意味なんだ、という感じで解説してくれます。残酷なシーンもあるので紹介しづらい映画。奇妙なシーン、グロ、ばっちいシーン、裸、が見たくない人は鑑賞を避けるのが無難かと。この映画は結局何を表現したかったのか? それも「オーディオコメンタリー」に入っています(大雑把に説明すると「人間の思考能力が劣化していっている現状を風刺するために制作した」とのこと)。いろんな評価をされている映画(好意的、批判的。オチに対する評価は賛否両論)。個人的にオススメのシーンは、アートなシーン(奇妙なマシーン、人間の体を使って絵を描くシーン、ほか)、おもちゃ工場で制作される武器、メキシコのピラミッド、など。楽しい映画ではありません。監督がマジメに制作したものなのでツッコミながら観る映画でもありません。汚いシーンもあります。鑑賞するには覚悟が要る映画です。

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